稲荷の高齢者福祉施設「やすらぎ荘」を拠点に活動する落語サークル「やすらぎ落語塾」が10月6日(土)、同施設の祭りで寄席を開く。古典や創作、色物では南京玉簾からマジックまで。同世代の高齢者らに元気を届けようと、本番を前にメンバーらの練習も熱を帯びている。
”素人噺家”らが来月寄席
「おいらも商売がうまいね。幽霊さんよ、お前さんも一杯やっとくれ」
9日、施設の一室では落語塾の辻亭小町さんがメンバーに落語を披露していた。演目は「酔っぱらった幽霊」。民話をもとに辻亭さんが落語にアレンジした。
メンバーは60〜80代の15人。毎月の定例会や出前落語の開催など2016年1月から定期的に活動を続けている。
特徴は、落語を聴くのではなく、自らが演じること。メンバーのほとんどはサークルに入って初めて高座にあがる。各自が寄席に足を運びプロの所作を学んだり、インターネットの動画を参考にしたり。メンバー間でアドバイスすることもあるが、基本的には独学だ。
指導役の「師匠」を務めるあや志家つか丸さんは「学生落語などと比べればテクニックは劣るかもしれないが、皆人生経験を積んでいるから、落語に『味』が出る」と話す。
自分たちもお客と同じ高齢者。新しいこと一つを覚えるのにも時間がかかるし、緊張もする。それでも「お客さんに喜んでもらえるのはうれしいですよね」とメンバーの一人は笑顔をのぞかせる。
真剣に、でも和気あいあいと。落語塾は一線を退いたメンバーらの第二の生きがいでもある。「落語には人生を楽しく生きるヒントがたくさんある」。そんな楽しさを、寄席でも伝えていくつもりだ。
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塾生による「第8回やすらぎ寄席」は「やすらぎ祭」会場内で午前10時30分から。入場無料。
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