没後830年となる今年、源義経を祀る白旗神社のそばで和菓子店を営む小峯憲(あきら)さん(64)が、義経最期の地から藤沢まで、徒歩でゆかりの地を訪ねる旅に挑戦している。17日に宮城県を出発し、藤沢へは命日の6月13日に行われる鎮霊大祭までの到着を目指している。
和菓子店の小峯さんが挑戦
伝承によると、源義経は平泉で自害し、胴体は宮城県北部に葬られた。首は鎌倉に送られ首実験が行われ、その後、藤沢に葬られ祭神として白旗神社に祀られたとされている。現在は、宮城県栗原市の判官森に胴塚、白旗神社に首塚があり、碑が建てられている。
今回の挑戦は、その胴塚から首塚まで、両方の塚の土(御霊土)を携えながら、義経の足跡を巡る。行程は約500Kmで、主に国道4号線沿いを行きながら、1日20Kmほどを移動する予定だ。
小峯さんは、この日のために、巡礼者ということが分かるように白装束と笠を新調。安全のためにGPS機能の付いたスマートフォンやタブレット端末も購入した。使い方を練習し、旅の様子はフェイスブックで発信していくという。「張り切るとよくない。気楽に、黙々と歩くだけ。気負わず楽しみたい」
恩返しの気持ちで
きっかけは20年前、胴塚を管理している菅原次男さんが、白旗神社から宮城県まで徒歩で巡礼し首塚と胴塚の土を合わせ「合祀」した。そこから互いの交流が始まり、数年前には菅原さんが義経を題材にした創作神楽を神社で披露し奉納した。
没後830年の事業で何かお返しがしたいと神社の関係者らで話が持ち上がり、小峯さんに白羽の矢が立った。昨年10月には、菅原さんの元を訪れ、巡礼のアドバイスを受けたほか、旅路や宿泊施設などを調べ準備したという。
約90年続く「古美根菓子舗」の3代目店主の小峯さん。白旗神社との縁は深く、社紋をかたどった「笹りんどう最中」は観光名産品にも認定されている。小峯さんは出発前、「子どもの頃から神社は遊び場で、私には切っても切れない関係。恩返しのつもりで、感謝の気持ちを持って歩きたい」と話していた。
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