復興へ、鎌倉からも懸命に デスク・レポート
▼東日本大震災から1カ月が経った、今月11日に行われた鶴岡八幡宮の「復活祈願祭」。犠牲者へ哀悼の祈りを捧げ、被災者への義援金を募る。仏教・神道・キリスト教の宗教家400人が宗教の垣根を越え、祈りの心で一つになった。
▼「何かせねば」の想いは宗教家たちだけでは無い。鎌倉市内の市民団体なども得意分野を活かしながら、支援に全力を注いでいる。
▼商店主や市議会議員などから構成される「鎌倉とどけ隊」は、物資・マンパワーを提供しようと行政の手の届かない非難所を支援。今後も現地での状況を調べながら継続的に活動する。「鎌倉建築組合」では居住可能な建物の被災認可や建物の汚泥撤去・清掃のため、17人が宮城県石巻市で作業の統率指示にあたった。このほか、規模の大小に差はあれど支援活動の動きは多く生まれている。
▼「一所懸命」以上の「他所」でも懸命の活動を続ける各団体に今、「情報共有のため互いの連携を密にすべき」という動きも出てきた。約20の団体がNPOセンターや行政にも呼びかけ「つながりカフェ(仮)」とし、より効果的な支援のための協議を進めている。計画停電など、少なからず影響を受けている状況下での弛まぬ活動に、鎌倉市民の意識の高さを改めて思う。
▼4月17日(日)、被災地復興支援の意味合いを新たに付加し「流鏑馬」が開催されることにも注目したい。”自粛”を理由に中止することはある種たやすい。一方で観光地であり、観光を主とした事業主も多い鎌倉では、対外的なPRも含めた事業は不可欠だ。その中にあって、被災地を助けて自らの活性化にもつながる”開催”の決断が持つ意義は大きい。放射能不安から海外の観光客数減も現実となる今こそ、PRを止めてはならない。鎌倉では、神社仏閣など歴史的資産のほか、恵まれた「市民力」も十分な資産といえる。先月、テネシー州ナッシュビルの市長を鎌倉へ招き、日米の友好親善を進めた「鎌倉のカントリーとブルーグラスを愛する会」の活動は市民から機運を盛り上げた、その好例といえる。
▼これから日本全体が回復するためには、被災地支援と被災地外の活発な活動の両方が必要となる。今後、この高い市民力の結集とさらなる活性化に期待したい。
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台湾への募金箱設置4月19日 |
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