4月8日付で鎌倉税務署長に着任した 佐藤 一彰さん 横須賀市在住 58歳
「税」は社会の会費
○…前任の熊丸雅高署長の定年退職にともない鎌倉へ。2度目の署長職として、「職員一同、円滑に仕事ができる環境を今後とも整えていきたい」と語る。
○…直前は、東京国税局の調査部に2年間勤務。統括官として主に上場企業の法人税や消費税の調査を担当した。36年におよぶ国税専門官のキャリアでは、酒税畑が長い。酒税業務には、メーカーや造り酒屋などを対象とした「調査」と、酒類販売等の「許認可事務」の2つがある。「税の徴収というより、酒類業界を盛り立てる役割がありますね」とその業務特性を話した。
○…青森県出身で秋田の大学を出て、就職とともに上京。なぜ国税官に。「大学で会計学を専攻していた。その知識をいかしたいと思った」という。最初の配属は下谷(現東京上野)税務署。所得税などのいわゆる直接税ではなく、物品などにかかる間接税の業務に従事。その後、東京国税局の管理部門をへて、管内の税務署で主に酒税業務に関わってきた。「とても緊張した思い出」として、捜査令状を裁判所に取りに入ったことを挙げた。社会人2年目ということもあり、「脱税容疑のある事業所を強制的に捜査する。相手の懐に手を突っ込むこと」として、その責任の重さを痛感したという。
○…3年前には、初めての単身赴任として岩手県の一関税務署で1年間署長を務めた。「赴任前にも大きな地震があり、今回も他人事ではない」と、震災発生直後には当時の部下の安否確認に奔走したという。
○…結婚を機に横須賀に居を構え、25年ほどになる。妻と娘2人の4人家族。休日は色々なところを「ぶらぶら歩くのが好き」と笑った。鎌倉のハイキングコースはほぼ踏破する。「鎌倉の街並みは趣があって好きですね」。
○…「『税』は社会の会費」。租税教室をはじめ関係諸団体の協力を得ながら「より一層、税に関心を持って欲しい」と呼びかけた。