鶴岡八幡宮で今月12日、奈良県東大寺との合同による祭事と法要が行われた。東日本大震災の犠牲者追悼と被災地の復興を祈願し、神職や僧侶たちが舞殿で祈りを捧げた。行事には、鎌倉市へ避難をしている被災者が招待され8人が参加。また境内の神池では、慰霊の意を込めた蛍の放生も行われた(6月19日まで一般見学可、日没から午後8時30分まで)。
交流の歴史 800年
鶴岡八幡宮と東大寺には、歴史的なつながりがある。1180年に平重衡(たいらのしげひら)による、南部焼き討ちで多大な被害を受けた東大寺に対し、朝廷による働きかけから鎌倉幕府は復興事業に尽力。以降両者の関係は深まり、現在にいたるまで800年以上にわたり、交流が続く。
近年では、1999年の「源頼朝公八百年祭」(八幡宮)や、2006年の「重源上人八百年御遠忌法要」(東大寺)などで相互往来による祈りが行われるなど交流が深まっている。
震災から3カ月目に行われた、今回の合同厳修「東日本大震災物故者慰霊と被災地復興への祈り」には、神職、僧侶約30人が参加。鶴岡八幡宮は吉田茂穂宮司を斎主とし、東大寺は北河原公敬別当を導師に、神仏交互に祈りが捧げられた。
神職や巫女による祈祷「四方祓」「玉串拝礼」、神楽「浦安の舞」が執り行われ、吉田斎主が祝詞を奏上すると、夕空からは、震災犠牲者を哀悼するかのように静かに雨が降り始めた。
東大寺からは、北河原導師が祈願文を読み上げ、600巻の「大般若経転読」が行われた。
両者は「この大震災の犠牲となられた多くの御霊の安らかならんことと、被災地の皆様に心を寄せ、一日も早い復興を祈るとともに、わが国が常に神仏のご加護の下に困難からの再起を果たしてきた歴史に思いを致し、相互に、しかも合同の祭事・法要を執り行うこととした」と開催の運びについて語る。
9月18日(日)には、東大寺の大仏殿で、同様の行事が予定されており、関西方面に避難している被災者らを招待する予定。
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