津波による甚大な被害が発生した東日本大震災から今月11日で半年が過ぎた。海に面した鎌倉市では現在、津波対策をはじめ防災計画や防災無線、観光客などの滞留者対策などの見直しに取り組んでいる。現状を総合防災課に聞いた。
喫緊の課題の一つとして津波対策がある。
現状、市が作成する津波想定の「ハザードマップ」(2009年7月)では、神奈川県が想定したM7・9クラス地震を基にしており、10mを超す津波が発生した今回の震災規模に対応した内容とはなっていない。そのため、新たな避難所等の設置およびマップの作成が急がれている。
しかし、新たな対策の基になる地震想定を県が検証しているのが現状で、結果が出るのが今年度末。そこで市総合防災課では、万が一に備え沿岸部の住民と知恵を出し合い、当面の緊急避難場所設定を進めている。実際に避難所の目途がついた地域もあり、該当地域では10、11月に避難訓練も計画しているという。一方、避難場所設定が進んでいない地域もあり、同課では「スピード感を持ってやりたい」と今後も地域住民に協力を呼びかけていく。
その他にも、震災後市民から多数問合せのあった「海抜」を知らせるステッカーを8月下旬から市内300ヵ所の電柱に貼付、また8月15日の市広報誌に全市域の海抜が一目でわかるマップを掲載するなど、広報活動にも力を入れている。
計画停電の情報提供などで難聴が問題となった防災無線は、今年度中に6基増設する。内4基は材木座・坂ノ下・七里ガ浜東・七里ガ浜の沿岸部。あと2基は観光客対策と難聴地区を考慮し、鶴岡八幡宮と高徳院の付近を想定する。
観光客などの滞留者対策も大きな課題だ。その解消に向け市は、現在の指定避難所のほかに、県立高校や社寺にも協力を求め、避難所の確保を検討している。県立高や一部の社寺は前向きのようだが、食料等備蓄品の常時設置や緊急時の職員配置をどうするのか、その点が課題となっている。
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