鎌倉版 掲載号:2011年11月11日号
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設立60周年を迎えた「鎌倉彫協同組合」の理事長を務める 坂本 豊さん 二階堂(紅葉ヶ谷)在住 52歳

温故知新の職人

 ○…今月1日から鎌倉彫資料館で「鎌倉彫のある暮らし」を開催している。自身が理事長を務める「鎌倉彫協同組合」の創立60周年記念事業だ。「坂本漆工房」の二代目で、舞台に鎌倉が登場したアニメ「セイクリッドセブン」のキャラクター「鬼瓦」を鎌倉彫で制作したのは記憶に新しい。

 ○…生まれも育ちも二階堂。根っからの職人であると同時に、根っからの鎌倉人だ。父親は無口で、職人になれとは言わなかったが、「いずれは自分もこの仕事をやるんだな」と漠然と思っていた。そして高校卒業後、職人の世界へ。知人のもとで数年の修業後、実家に戻り父親のサポートなどをし、工房を継いだ。「父のおかげで、皆さんに支えてもらえた」と振り返る。

 ○…「テレビで手仕事が映ると見入ってしまう」ほどの生粋の職人だが、「伝統工芸」という枠組みの中に閉じこもってはいない。「伝統を守りながらも今の時代に合ったものを作らないと。元々、仏具から形を変えてきたわけだし」と話し、作品も、「生活の中で使われなければ意味がない。職人はみんなそういう気持ちは持っていると思う」。これは今回の催しのテーマとしても掲げている。「味噌汁一杯でもいいから、鎌倉彫のおわんに入れて、気持ちにゆとりを持って食してもらいたい」。

 ○…趣味で鎌倉彫を作る人に増えてほしいとしながらも、狭い世界の中だけで作品が循環して、産業が停滞してしまうことを危惧している。「もっと若い職人が増えてほしいし、鎌倉彫を身近に感じてもらいたい」と話すが、不景気の影響などで、現状維持が精一杯だ。「仕事の分野の垣根を越えたっていい。例えば、住宅の扉や壁にだって応用できる」と鎌倉彫発展の可能性を話す。寡黙な父の背中で職人魂を学び、鎌倉彫に人間として成長をさせてもらった。「職人の自分が理事長なんて、鎌倉彫やってなかったら一生やることなかったですよ」と苦笑い。
 

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