東日本大震災から1年。防災無線の増設や避難所の備蓄食糧充実化など、市は防災対策に取り組んできた。来年度には、災害時の指針となる「地域防災計画」改定をはじめ、防災関連の主な事業に4億円程度の予算を見込む。3月15日号市広報紙には、最新のハザードマップ(暫定版)が掲載される予定だ。
市は、東日本大震災を受け、災害時の対応指針である「地域防災計画」を2012年度中に改定する。市総合防災課では「できるだけ早い時期に」と話す。
改定のポイントは主に2つ。1つは、最大規模の被害を想定し、震災の教訓を活かすこと。例えば、防災教育の有無が生死をわけた事実を踏まえ、学校をはじめ地域と連携した避難計画の重要性を定める。
もう1つは、新たな津波想定対策。同課では、最大14mを超す津波に襲われた場合、防波堤などのハード対策では不十分として、避難が迅速にできるよう、「経路・訓練・情報」の充実をはかる。
また、新たな避難場所の確保、拡充も重要とする。現在、緊急時の避難「ビル」と「空地」は各20ヵ所の計40ヵ所で、観光客にも対応可能な約30万人が避難できるとしてきた。しかし、2月の県津波浸水想定検討部会の予測では、最大浸水10m超、また浸水域も鶴岡八幡宮付近までと、これまでの予想をはるかに上回った。同課では引き続き、緊急時の避難場所として「避難ビル」指定への協力を求めていくという。
来年度予算案には、防災にかかわるインフラ整備も盛り込まれている。防災行政用無線の4基増設、難聴地域を対象に配布(有料)する無線戸別受信機の導入、西鎌倉小学校と第一中学校の屋外備蓄倉庫新設などがそれだ。
市立小中学校の計25ヵ所は、避難場所に指定されており、食糧や資機材などは全て同じ数量が備蓄されている。その充実化にも引き続き取り組む計画だ。
4月には「危機管理課」が新設される。これは、地震や津波などの災害以外、例えば放射能、インフルエンザ、大型事故、テロ等の広く危機的な状況に、行政として対応するためのもの。
15日の市広報に暫定版「ハザードマップ」
市は3月15日号の広報紙に、県の新想定を踏まえた、暫定版「ハザードマップ」を掲載し、全戸配布する。また、今月中に策定される県の新被害想定に基づいた正式版「ハザードマップ」は、今年の夏頃までに完成させる予定だ。
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