「気軽に入ってきて欲しい」と野澤館長
キリスト教を基盤に１２２の国と地域で展開している青少年教育団体「ＹＭＣＡ」。その中の１つ、鎌倉ＹＭＣＡ（野澤ひらく館長）が昨年９月に創立60周年を迎えた。２０１１年度の１年間で記念事業を行い、３月14日（水）には最後の催しとして映画会を行う。
今回上映されるのはドキュメンタリー映画「ぼくたちは見た（古居みずえ監督）」。２００８年から09年にかけてのイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への攻撃で犠牲になった町や子どもたちに焦点を当てた内容だ。上映後、20年以上パレスチナを取材し続けてきたジャーナリストの古居監督による講演も企画する。
鎌倉ＹＭＣＡを拠点に活動する「対人地雷をなくす会」と古居監督との間に親交があったことから、今回の映画会が実現した。
上映会は鎌倉生涯学習センターを会場に午後１時から３時45分まで。入場券は５００円で、収益は日本ＹＭＣＡ同盟を通して被災地支援に充てられる。
今回の主題は「平和」。３・11から１年を受け、野澤館長は「戦争と天災とでは原因に大きな隔たりがあるが、街並みが廃墟に変貌する『災害』であるという点では同義」とし「この映画を通して平和の意義について改めて考える機会にして欲しい」と話している。
ＹＭＣＡ60年の歩み
鎌倉ＹＭＣＡは１９４８年に横浜ＹＭＣＡの分館として古我貞周さん宅に一時期開設したものの、３年で閉館。１９５１年に地元の教会関係者で再度結成され、横浜ＹＭＣＡの下部組織として今日まで続いている。「子ども、家庭」「環境、野外」「国際地域」を主軸に地域貢献活動のサポートや英会話教室などの事業を行い、年に数回講演会や上映会などのイベントを企画している。
現在約50人のボランティアスタッフにより運営され、「鎌倉車いすと共に歩む会」や「対人地雷をなくす会」など計８団体が鎌倉ＹＭＣＡを拠点に活動する。
当初は市内由比ガ浜の「鎌倉教会」を間借りしていたが26年前から御成町に場所を移転。天気の良い日は窓を開け放し、外から活動の様子が分かるようにしている。野澤館長は「地域の人に気軽に入ってきて欲しい。この場所が地域交流の一助となれば」とし、「子どもからお年寄りまで、幅広い人を支えていく団体にしていきたい」と話した。
上映会の申込みや問合せは【電話】０４６７・２４・７８５９鎌倉ＹＭＣＡまで。
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