夏目漱石のファンによる団体「鎌倉漱石の会(菅佐原智治代表)」は5月に設立50周年を迎える。これに先がけ、4月29日(日)に円覚寺で記念大会を行う。昨年募集した初企画となる高校生対象の読書感想文の表彰式も予定している。
同会は年2回の例会を行っており、4月の大会で100回目を迎える。記念大会に位置づけされる今回は、平岡敏夫筑波大学名誉教授らによる基調講演の他に、漱石の晩年作である「明暗」を題材にしたシンポジウムや、高校生対象の読書感想文の表彰式が行われる。
この感想文の題材は「こころ」「坊っちゃん」「草枕」「三四郎」の4作品。全国の高校から964点の応募があり、最優秀賞1人をはじめ優秀賞や佳作など、計58人が選ばれた。「こころ」の応募作が一番多く、全体の7割を占めていたという。
同会は漱石文学を愛した元北里大学教授の内田貢さんが1962年に発足させたもの。同年12月の命日には円覚寺帰源院に漱石の顕彰碑を建立し、以後毎年、研究家や大学教授を同院に招いて講演会を行っている。当初は記念館建設を目標としていたが、土地取得の問題等から断念。内田さんの死後は、親交のあった菅佐原さんが代表を引き継ぎ、ファンたちの交流の場として同会を今日まで継続している。現在会員は400人を超える。
菅佐原さんは「漱石は漢詩や俳句、英文学に精通するエリート。そのスーパーマン然とした人となりや幅のある作品に魅せられた人が集まってくる」と話す。
夏目漱石は1867年に生まれ、「吾輩は猫である」など数々の代表作を世に残した。鎌倉を訪れたのは27歳の時。友人の勧めで円覚寺帰源院に参禅し、住職との交流が続いたという。そして1916年、「明暗」の連載中に死去した。
記念大会は一般参加も可能。午前10時から午後5時まで。事前申込制で、会費は3500円(昼食代込)。申【電話】042・675・2365菅佐原さんまで。
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