市民団体「アンサンブル21かまくらの女性史編さん部会(横松佐智子部会長=人物風土記で紹介=)」による「明治・大正・昭和 かまくらの女性史・通史」が先月発行された。10年かけてまとめた女性史の第4集となる今作は、これまでの集大成にあたる。
通史は、明治から昭和にかけての女性をとりまく事象や変遷を一冊にまとめたものとなっている。これまで調査してきた内容の蓄積から作成した第3集の年表を基に、歴史の中で取り残されてきた女性の、特に生活面に光を当て、時代の流れに沿って記述している。
今回、不足していた内容を特に補ったのは戦争に関わる項目。市役所の地下に所蔵されている戦前・戦中の資料や、作家、山中恒さん所蔵の戦時下における生活を記録した「鎌倉市民戦時生活体制実行方策」などを新たに紐解き、個人名を伴う「優良多子家庭表彰」の記録や、戦時下における生活規制に関する項目まで細かに記載した。また、戦中から戦後にかけての外国人の記録も掲載し、スイス人画家コンラッド・メイリが鎌倉署で取調べを受けたことなどにも言及している。
横松さんは「戦争に関わるものは、記録に残っていても世に出ないものが多い」と話し、資料の読み解きだけで1年を要したという。
これまでに3冊
「かまくらの女性史」は、男女共同参画意識の啓発活動の一環として、2001年度から市と同市民団体が共同で取り組んでいる企画。これまで「かまくらの女性史 33人が語る大正・昭和」「聞き書き第2集 かまくらの女性史 明治・大正・昭和」「明治・大正・昭和 かまくらの女性史 年表」の3冊を発行してきた。編さんに携わった市民は延べ100人に及ぶ。通史は3年前に企画され、20人で執筆と編さんを行った。
横松さんは「鎌倉の生きた歴史を多くの人に知って欲しい」と話している。通史は1冊千円。市行政資料コーナーや市内7ヵ所の書店で購入できる。本については問【電話】0467・61・3870市文化人権推進課。
鎌倉版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|