鎌倉市立の中学校で唯一活動を続けている御成中学校(飯尾博一校長)の演劇部が、7月22日(日)に鎌倉生涯学習センター(市内小町)で行われる「鎌倉市中学校演劇発表会」に昨年に続き参加する。部員減少で他校の演劇部が相次ぎ休部や廃部に追い込まれる中、同校も存続を危ぶまれた時期もあったが、それを乗り越え部員14人が結束して舞台を作り上げる。
同部は3年生1人、2年生8人、1年生5人が在籍。市内公立中学校で活動する演劇部は同校だけで、顧問の西土かおる先生は「御成中に赴任した9年前には市内に4、5校残っていた」とし、同部も「次の新入部員が入らなければ休部という危機があった」と話す。
市の発表会は、2007年に御成中のみの参加となり、3年生1人となった翌08年についに中止に。09年は7人が入部したが、準備不足のため中止となった。
2年間途切れていた発表会に動きがあったのは10年のこと。現在の3年生にあたる新入生2人を加え、9人となった同部は、学校のボランティア部に音響や照明などの協力を受けながら、1校のみで参加した。発表会復活は、鎌倉市の中学校演劇に新たな歴史を刻んだとして新聞などでも取り上げられ話題となった。
「控えめな子」が舞台役者に
同部は昨年も18人で発表会に参加。現在、中学校の演劇部としては数少ない男子も在籍し、市の発表会をはじめ、同校の文化祭や発表会に向け、教室や体育館での稽古に励んでいる。「元々恥ずかしがり屋だった」という部長の森沙璃奈さん(3年)は、22日に発表する「あなたへホームラン!」の脚本を担当。「演劇部で自信がついて、お母さんに『声が大きくなった』と言われた」と微笑み、初の脚本に「お笑い系で、頑張って書いたのでぜひ観に来て欲しい」と思いを語った。
もう1演目の「恵比寿の商人」は劇作家シェイクスピアの「ヴェニスの商人」を題材に同部OBが脚色。「対立するドイツ人とユダヤ人が分かり合っていく」姿を描いている。
「演劇部なのに、目立ちたがりではなく、どちらかというと普段控えめな子たちが、舞台に立って大きな声で表現する姿を見てもらえたら」と西土先生は話す。
発表会についての問い合わせは【電話】0467・61・3812市教育指導課へ。
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