設立30周年を迎えた公益社団法人鎌倉市シルバー人材センターの理事長を務める 小林 清さん 高野在住 75歳
働くことが元気の秘訣
○…シルバー人材センターに入会して14年。今年の5月に理事長に就いた。30周年を迎えた団体のかじ取りについて「皆で楽しんで仕事ができる環境作りをしていきたい」と抱負を語る。入会してからずっと植木職務班に所属。見積りから剪定など、現場で休む間もなく駆け回っているという。「青空の下で仲間と一緒にする仕事は気分爽快。働いていることが健康の秘訣かな」と語った。
○…栃木県出身。田園風景豊かな地域で育った。幼少期は隣人の影響で菊の栽培に熱中。高校生になると化学の実験に没頭した。「思い通りに変化が起こるのが楽しくて」と化学部を立ち上げるほどだったという。大学進学を目指し上京、日本大学の理工学部に入学した。体調を崩し中退するも、その後回復し、ソニーに入社する。半導体の修理など、ものづくりに携わる仕事を37年間続けた。「手作業が好きだったんだろうな」とほほ笑んだ。
○…24年前に高野に越してきたのは、妻が鎌倉好きだったから。「恩返しになればと思って」と照れた表情を見せた。自宅の他に所有している二宮町の山林は30年ほど前に購入。1000平方メートルの土地を通いながら手入れをしていく内に、樹木の世話や土いじりなどに夢中になっていった。その影響から、リタイア後は植木屋で働くなど剪定作業に専念。そこで出会った同僚からシルバー人材センターを紹介してもらい、現在に至る。「会社とは違って上下関係のない同世代の仲間だから、とても気楽」とにっこり。「手入れは段々上手くなってきた。この年でも努力が結果になるってうれしいよね」と語った。
○…2人の娘は独立し、現在は妻と2人暮らし。作業のない日も依頼先で庭について話し合ったりするので「あまり一緒には出掛けてないかな」と苦笑い。毎日の楽しみは愛妻弁当。「大好きな甘い金時豆が入っていると、午後も頑張れるんだよ」と笑った。