主演に女優の吉永小百合さんを迎えた同作品は、東映60周年を記念した大型プロジェクト。
日本アカデミー賞最優秀監督賞に輝いた『顔』(2000年)などで知られる阪本監督をはじめ、『劔岳 点の記』(09年)で監督も務めた木村大作さんが撮影を担当。
作家・湊かなえさんの『往復書簡』(幻冬舎文庫)に収録された「二十年後の宿題」を原案とした脚本は、『北の零年』(05年)の那須真知子さんが執筆するなど、そうそうたるメンバーが顔をそろえている。
物語の舞台は北海道の離島。吉永さんは小学校の教員役で、あるきっかけを元に、6人の教え子たちと20年ぶりに再会する。6人の教え子役には森山未來さん、満島ひかりさん、勝地涼さん、宮崎あおいさん、小池栄子さん、松田龍平さんら若手実力派俳優が抜てきされている。
3100人の中からの選抜
菊池君は「鎌倉こどもミュージカル」に所属し、2008年の初回公演から出演している。同劇団は(株)劇団BDP(青砥洋代表)による児童劇団「大きな夢」の鎌倉支部で、市内在住の小学生から高校生まで33人が所属している。
その稽古の中で、「大きな夢」の指導者、阿部奈音子さんから「菊池君にぴったりな役がある」と『北のカナリアたち』のオーディションを紹介された。昨年9月に書類選考を通過、10月の面接で3100人の子役の応募の中から生徒役6人の一人に選ばれた。
母親の恭子さんは「野生児っぽい元気でやんちゃな性格が決め手だったようです」と話す。
撮影は北海道の利尻島と礼文島で、冬と夏に分けて行われた。期間中、子役たちは吉永さんのことを作中の設定の通り「先生」と呼び、撮影の合間には簡単なゲームをするなど一緒に遊んだという。
泣く演技で悩んだ菊池くんに吉永さんの夫役・柴田恭兵さんが「ママが死んだら、と想像してごらん」とアドバイスをするなど、周囲の大人のサポートの下、のびのびと演技ができる環境だったようだ。恭子さんは「大人が真剣に作品に取り組む姿がとても良い刺激になったようです」と話している。
菊池君は「スタッフの人たちが優しくて楽しかった。公開が楽しみ」と話し、将来の夢については「森山未來さんみたいな、舞台や映画で活躍する人になりたい」と語った。
東映創立60周年を記念して製作された吉永小百合さん主演の映画『北のカナリアたち』(阪本順治監督)に、市内在住で「鎌倉こどもミュージカル」所属の菊池銀河君(10)が松田龍平さん演じる「松田勇」の幼少期役で出演する。明日11月3日(土・祝)から全国の東映系映画館で上映される。同劇団から映画出演を果たしたのは菊池君が初めて。
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