11月20日に行われる映画「地球交響曲・第六番」上映会の実行委員長を務める 吉野 功さん 今泉在住 79歳
会計で後方支援
○…会議場の管理や団体設立の相談など、鎌倉の市民団体の活動を後方から支えている「市市民活動センター運営会議」。その一員として、公認会計士の資格を活かし、各団体からの相談に対応している。
○…中でも重要な位置づけにあるのがNPO法人への助成金配布。市民からの寄付を拠り所としてきたが、不景気のあおりを受けて年々、減少傾向にあった。「このまま寄付を待っているだけではいけない」と、助成金集めを目的とした映画上映会を初企画、実行委員5人と準備に汗を流してきた。「周囲の助言を受け、素敵な作品を用意できた。楽しんでもらいたい」と満面の笑みで語った。
○…松竹大船撮影所の近くで生まれ育った。高校時代は勉強一本で一橋大学に進学。暇があると映画館に出かけた。「若いころはギャングものが好きだったな」と話す。映画好きが高じて大阪の配給会社に就職するも、4年で倒産。次の会社では経理に関わる仕事をしていた。「同窓会で仲間が活躍する話を聞くと、悔しさを覚えて」と、30歳で一念発起し、公認会計士の資格取得に向け勉強を開始、35歳で目的を果たした。「人生で一番きつい時期だったな」と振り返った。
○…ふと降り立った北鎌倉駅で「こんなに緑が豊かだったのか」と改めて鎌倉の魅力に気づき、結婚を機に今泉に住み始めた。東京を拠点とした会計士の仕事が忙しく、「家には寝に帰るだけの『鎌倉都民』だった」と苦笑い。60歳を過ぎて事務所を大船へ移転したころ、市民による緑地保全活動で会計士の募集をしていたのを見かけ、応募。これを機に市民活動に深く関わるようになっていった。約10年前から同会議の活動に参加するようになった。
○…「細やかな気配りが重要な市民活動は、女性の力が圧倒的。見習わなければ」とし、数団体の会計指導などに骨を折る。「頑張る人を応援したい」とまだまだ現役だ。