正月の授与品である「破魔矢」の奉製が鶴岡八幡宮で大詰めを迎えている。11月30日にはその様子が上宮神楽殿で一般公開され、年の瀬を告げる光景に足を止める参拝客が多く見られた。
巫女たちが順々に鏑、和紙、鈴を手作業で取り付けていき、一本の破魔矢を作り上げていく。完成した大小の破魔矢がうず高く積み重ねられ、新年を迎える準備が着々と進んでいることが伺える。
破魔矢は60cm(初穂料千円・20万本奉製)と、94cm(初穂料2千円・4万5千本奉製)の2種類で、同宮では毎年2月から12月にかけて全部で24万5千本を手作りしている。
この破魔矢は、同宮の創建と深く関わる神宝「黒漆矢」(現国宝)にちなむ。11世紀の「前九年の役」で源頼義は、京都の石清水八幡宮から授かった破魔弓・破魔矢を守護として奥州に赴いたとされる。安倍氏との戦いに勝利した頼義は神恩に感謝し、由比ガ浜に八幡大神を祀り、この弓矢を神宝として奉納したという。
同宮では「このような故実にちなんで授与される当宮の破魔矢は、由緒の正しい格調高い正月の授与品です」としている。
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