鎌倉カメラクラブの会長を務める 米山 悦朗さん 浄明寺在住 77歳
第2の人生は写真に没頭
○…アマチュアの写真家による団体「鎌倉カメラクラブ」の会長に就いて5年ほど。25人の会員をまとめながら、日々撮影活動に励んでいる。年に1回開催している同クラブの写真展が、今年で20回目を迎える。会員が撮影した渾身の作品が3月26日から鎌倉生涯学習センターに展示される予定だ。「2年前には30周年を迎え、今年は写真展が20回目。長く続いてきたんだな、と感慨深い思いがする」と穏やかに語る。
○…父親の転勤で鎌倉に越してきたのは10代のころ。大学時代は登山部に所属し、ヒマラヤ山脈にも挑んだ。当時、写真は「記録するもの」として馴染みのあるものだった。長年勤めた総合商社の退職を機に、写真家としての人生をスタート。以後鎌倉カメラクラブで仲間とその表現力を磨いている。
○…「写真を趣味にする人は、元々カメラが好きな場合と、別の趣味の記録としてカメラを使っていた場合の2通りの入り口がある。僕は完全に後者だね」と振り返る。登山で海外を飛び回っていた10年以上前に紛争地で活動するNGO団体と知り合い、参加。支援に関わる中で「人そのものに興味が移った」とドキュメンタリー色の強い作品を発表するように。2009年にはパキスタン大地震を撮影した3枚が「神奈川県美術展」で大賞を受賞した。
○…パソコン技術の向上につれ、デジタル加工も作品制作の一部に。最近は「アートとしての創作写真」に挑戦中。絵画のような繊細なバラや躍動感あふれる流鏑馬といった作品を手掛けている。「シャッターは一瞬だけど、作品を仕上げるには1年かかることもある」と話す。試行錯誤を重ねて完成した作品を、クラブで見せ合うのを楽しみにしている。「鳥を専門に撮影したり、古いカメラにこだわったり、クラブは個性的な仲間ばかり。写真は気軽に挑戦できるから、もっと仲間が増えれば良いんだけど」と笑った。