鎌倉市が実施する「木造住宅耐震改修工事費補助金交付制度」の今年度の申し込み件数が制度開始以来、最多となった。東日本大震災後の関心の高まりを受けたものと見られ、市では「引き続き制度の利用促進により住宅の耐震化を進めたい」とする。
同制度は、1981年5月31日以前に建築された一戸建て住宅、二世帯住宅または店舗兼用住宅を耐震改修する際に、工事費の2分の1かつ上限70万円を補助するもの。市が月2回程度行っている耐震窓口相談に出席した上で、現地耐震診断の評点が1・0未満と診断された住宅が対象となる。
鎌倉市都市調整部建築指導課によれば、3月1日現在で同制度への申し込みは33件。市では12年度当初予算で18件(1360万円)を同事業のために計上していたが、8月には予定の件数を上回ったため、9月議会で8件分(570万円)、12月議会に13件分(950万円)の補正予算を計上しいずれも承認された。
07年の制度開始から5年間の合計が60件だったことから考えると、その急激な増加が分かる。理由について市は、東日本大震災後の関心の高まりに加え「今年度から補助金の上限を50万円から70万円に引き上げたほか、住宅リフォームへの助成制度との併用が可能になったこと」などを挙げる。
ただ市内にある1981年5月31日以前に建てられた住宅は約1万軒に上る。その大半が現在の耐震基準を満たしていないと見られるが、改修には数百万円かかるため、経済的な理由で踏み切れない人も多い。また阪神淡路大震災を機に設けられた耐震診断補助制度は「数年で利用が低調になった」(建築指導課)事実もあり、震災から時間が経過し、耐震化への意識が薄まる可能性もある。
市は現在審議中の13年度当初予算案に、同事業の費用として30件(2220万円)を盛り込んだ。市では「広報などを活用し引き続き制度の周知に努めたい。要望があれば町内会などに出向いて制度の説明を行うなどして、利用を促進したい」としている。
鎌倉版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|