市内にある世界遺産登録の構成資産21カ所は観光名所として名前が通っているところばかりだが、改めて気軽に巡るとしたら、どんなルートが良いのか。市内で観光案内などを行うNPO法人鎌倉ガイド協会に、鎌倉駅を起点としたおすすめの散策ルートと見どころについて聞いた。
「構成資産を巡るなら、やっぱり鶴岡八幡宮は欠かせません」と話すのは同協会の高橋健治会長。「一番歩きやすくて、おすすめ」なのは、若宮大路を通って鶴岡八幡宮に参拝、巨福呂坂を経て建長寺へ、亀ヶ谷坂を通り寿福寺に出て、小町通りから駅に戻るコースだ(上記表右参照)。参拝や見学の時間を含めても「大体2時間ほどで回れる」ので、高齢の人でも無理なく歩ける距離になっている。
鶴岡八幡宮は段蔓までが構成資産。「海側の幅が広く八幡宮側が狭くなっている段蔓は、入り口から見ると、錯覚で距離が実際よりも遠く感じられる」という。「構成資産の中で最も重要な位置づけにある」鶴岡八幡宮では、大階段の上からの眺望を楽しみたい。建長寺の北東部には朱垂木やぐら群をのぞむ。生活道路でもある亀ヶ谷坂は「吾妻鏡」で2代将軍源頼家が落馬した場所だと記されている。寿福寺には源実朝の墓とされる石塔が安置されたやぐらがある。
鎌倉大仏方面を巡る場合は、鎌倉駅を出発し寿福寺を経て仮粧坂を上り、葛原岡・大仏ハイキングコースに入り、高徳院鎌倉大仏殿へ。その後、極楽寺を参拝する、というコース(上記表左参照)がある。全行程3時間ほどが見込まれ、体力に自信がない人には「ハイキングコースを回避して、銭洗弁財天へ抜けることも可能」だという。
高橋会長は「『三方を山に囲まれ、一方が海に開く』要害的地形の価値を理解して歩くと、より一層興味深く感じると思います」と話している。
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