英勝寺(市内扇ガ谷)の5棟(仏殿、山門、鐘楼、祠堂、祠堂門)が、国指定重要文化財に指定されることになった。
これは5月17日に開催された文化庁文化審議会文化財分科会で、文部科学大臣に答申がなされたことを受けたもの。鎌倉市内の国指定重要文化財(建造物、国宝含む)は22件となる。
水戸徳川家ゆかりの尼寺
英勝寺は戦国時代の武将、太田康資の娘で徳川家康の側室、英勝院が創建した浄土宗の尼寺。英勝院は水戸徳川家初代徳川頼房の養母となったことから同家とのゆかりが深く、水戸の姫が代々同寺の住持を務めたという。
建物は英勝院が亡くなった翌年の1643年、一周忌に向けて整備された。仏殿をはじめとする各建物は、鎌倉時代に伝えられた「禅宗様」と平安以前に中国から伝わった建築様式が日本風に変化した「和様」を自由に組み合わせた江戸時代前期らしい意匠を持ち、屋根の弛みも軒の反りもつけない直線的な屋根形状で統一している。
また山門は関東大震災の後、別の場所に移築されていたが、檀家や市民による復興運動の結果、2011年に境内の元の位置に戻された。
今回の答申では「江戸時代前期の主要な堂宇が墓所と一体となって良好に保存されている点が貴重」と判断された。
一般にも公開されており、拝観料300円。時間は午前9時から午後4時で木曜日は休み。
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