常盤製作所 県認定モデル工場に 技術力やネット活用を評価
(株)常盤製作所(市内植木・加藤清和代表取締役)が「かながわ中小企業モデル工場」に選ばれ、5月28日に横浜ベイホテル東急で指定書交付式が行われた。現在、県内各地に全116ある同モデル工場。市内では同社が唯一の認定となった。
同社は1956年に市内常盤で創業。85年に現在の場所に移った。当初はネジを専門に製造していたが、65年ごろから農業機械部品に進出、現在はチェンソーや草刈機などの農機具用の小型エンジン部品を主に生産している。
ギヤ、クラッチドラム、シャフトなどの製品を、材料からほぼ一貫して同社内で作れるのが強み。ギヤの歯車部分は10枚以上ある歯の部分を特殊な加工機で1枚1枚削っていくため精巧な技術を要する。部品がしっかりしていないと、農機具の耐久性や性能にも大きな差が出るという。
加藤代表取締役は「機械を動かす上で非常に重要な部分を任せてもらっているという誇りが社員にもある。
みんなの仕事を認めてもらい嬉しいが、今後どうやって維持していくかが大切」と話す。同社新潟工場とインターネットを活用したテレビ会議で連携を図るなど、先進的な取り組みも今回の評価につながった。
中小工場の活性化を目的
中小工場の活性化を目的に98年4月に制定された「モデル工場」の制度は、他の模範となる工場を県知事が指定するもの。今年度は同社のほか、東洋測器(株)(横浜市)と星工業(株)(相模原市)の3社が認定された。商工会議所などが推薦し、審査会で選定される。認定には、過去に「神奈川県優良工場表彰」を受けていることなどの条件がある。納税や職場環境、企業財務が良好であるかなどの観点で審査される。
指定期間は3年間。要件を満たし、県が適当と認めた工場は、審査を経て更新することができる。
加藤代表取締役は「最近は景気の動きが話題になっているが、海外との競争もあり製造業界は厳しい時。今回の認定が弾みにつながれば」と襟を正した。
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