鎌倉市は昨年度実施した耐震診断で、強度不足などと診断された市立保育園の改修・新園舎建設に関する方針を固めた。現在開会中の市議会6月定例会に補正予算を提案中で、承認され次第、着手したい考えだ。
鎌倉市は昨年8月から今年3月までの期間に稲瀬川、材木座、岡本の市立保育園3園で耐震診断を行った。稲瀬川、岡本の両園で、Is値(地震力に対する建物の強度、靱性を考慮して各階ごとに算出する)の基準値(0・60)を下回った。また基準値内だった材木座でも、梁がたわんでいる可能性が指摘された。
このため市は4月、3園の改修や移転・新園舎建設の方針を発表し、保護者との話し合いを続けてきた。
その結果、稲瀬川と材木座の2園では、まず稲瀬川で2階を撤去する工事を実施し、終了次第、材木座で屋根の接合部などの改修を行う方針を決めた。工事期間中の保育は、材木座保育園に近い企業の保養所が今年3月に閉鎖となったため、借り上げの交渉を進めている。工事はそれぞれ3〜4カ月ほどかかる見通しで、年度内には両園の改修を終わらせたいとする。
公園に仮園舎
一方、岡本保育園の耐震化に関して市は、当初、フラワーセンター跡地の県有地を借り上げた上で来年3月までに新園舎を建設、完成までの期間は0〜2歳児を大船保育園、3〜5歳児を玉縄青少年会館で保育を行う方針を提案していた。
しかし保護者から「通園が困難」という声があがったほか、候補地の近くで以前、環境基準値を超えるフッ素が検出されたことや、川沿いで風水害や津波への不安が強かった。
さらに県有地の借り上げ交渉に当初想定した以上の時間がかかることなどから、市は再検討。5月に改めて行った保護者説明会では、今年度中に玉縄児童遊園に仮園舎を設けたうえで、2014年度末を目途に現在の場所に園舎を新設する案が示された。
仮園舎完成までは、現園舎の廊下に簡易的な鉄骨のシェルターを設置するなどして、安全性を確保する。
市は稲瀬川の改修費用として2192万4千円、材木座の改修費用として3118万2千円、岡本の仮園舎リース費などとして9357万円を、それぞれ補正予算として6月議会に提案した。市こどもみらい部は「議会の承認が得られ次第、早急に対策を進めたい」と話している。
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