NPO法人鎌倉ガイド協会の会長に就任した 松本 隆さん 浄明寺在住 74歳
海外経験活かし鎌倉案内
○…あじさいの季節を迎えますます賑わいを見せる鎌倉で、とっておきの見どころを観光客に紹介しているNPO法人鎌倉ガイド協会。5月11日に新しく会長に就任した。「鎌倉はたくさんのお客さんが来る場所。良さを多くの人に知ってもらう手助けをしていきたい」と抱負を語る。
○…福島県生まれの茨城県育ち。大学進学を機に上京した。卒業後は化学系の会社に勤務。海外赴任が長く、ドイツとイギリスに6年ずつ、その他東南アジアの各国に滞在していた。「数えきれないくらいの取引先や同僚を観光案内してきた。その時の経験は今の活動に活きているよ」と話す。結婚し、妻の両親が浄明寺に土地を持っていることから、1975年に鎌倉へ。身近に歴史を感じる街の魅力に心惹かれつつも「仕事が忙しくて鎌倉は寝に帰るだけの場所。隣近所以外全然知らなかった」と当時を振り返る。定年後の64歳の時、ガイド協会で地域デビュー。「世界遺産の行方が気になっていたのと、良い仲間に出会えそうな感じがしたのが決め手だったかな」と笑顔を見せる。
○…「やっぱり、『ありがとう』って言われるのが一番うれしい」とガイドの醍醐味を語る。駐在員時代の経験を活かし英語・ドイツ語を駆使して外国人観光客をもてなす。そのため「来年もまた松本さんに」と指名されることもしばしばという。「仏教用語とか日本語でも説明が難しいものを、かみ砕いて話すように心がけている。ガイドの終わりに拍手が起こることもあるんだよ」と顔を綻ばせる。
○…「ビジネスの世界と違って、同世代の男女が好きなように意見を言える、民主主義が徹底している良い場所」と協会について話す。ここ数年はガイドを申し込む観光客が増加傾向にあって、なかなか休む間もないという。「息抜きは本屋巡り。地理好きでよく地図を眺めている。そう言えば海外の地図も家にたくさんあるよ」と笑った。