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鎌倉版 公開:2013年6月28日 エリアトップへ

「鎌倉リトル陸上クラブ」の代表を務める 金井 勝政さん 十二所在住 68歳

公開:2013年6月28日

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陸上の楽しさ子どもたちに

 ○…サッカーや野球などの球技に比べ、小学生年代で陸上に触れる機会は意外に少ない。鎌倉にもジュニア世代のチームがなかったことから、「幼いうちに陸上の楽しさを知ってほしい」と今年4月、「鎌倉リトル陸上クラブ」を発足させた。「飲みこみの早い子ばかり。まだ数回の練習ですが、最初と比べるとみんな見違えるように良くなっている。将来が楽しみな子が何人もいますよ」と目を輝かせる。

 ○…「正しい努力をすれば誰でも速くなれる」が持論。自らの歩みがそれを体現する。第二中学校入学と同時に陸上を始めたが「才能なんて全然なかった」と笑う。ある時出場した市大会の3千メートル走では「ブービー」。これが持ち前の負けん気に火を点けた。当時、県下最強を誇った横浜高校に進学すると猛練習で徐々に力をつけ、3年生でレギュラーの座を掴む。日本体育大学では3度の箱根駅伝も経験した。

 ○…大学卒業後は就職の予定だったが、母校での教育実習が運命を変える。思い出したのは「ただ速くなるだけではない、人間として成長しろ」という高校時代の恩師・植木富士彌先生の言葉。「自分も先生のように人を育てる仕事がしたい」と、すでに決まっていた実業団入りを断って教師に。以来、鎌倉の中学校で38年間にわたって教鞭を執り、陸上部の指導に当たった。「(指導は)苦しい思い出ばかり。悩みつまずいていることの方が多かった」と振り返るが「卒業後、多くの生徒が結婚式に呼んでくれてね。言っていたことが少しは伝わったんじゃないかなと思ってうれしかったですね」と相好を崩す。

 ○…指導のため最新のトレーニング法を一から学び直すなど、8年ぶりの「現場復帰」を心から楽しんでいる様子。「子どもたちから元気をもらっています。自分まで若返った気分」という表情に充実感がにじむ。「いつか鎌倉からトップ選手を」と、新たな挑戦に意欲を燃やしている。
 

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