鎌倉市内で振り込め詐欺被害が急増している。現在までの発生件数がすでに昨年1年間を上回っており、過去5年間で最高だった一昨年に迫るペースだ。警察では様々な機会や媒体を使って啓発活動を続けているが、手口はさらに巧妙・複雑化しており、犯人グループとのいたちごっこが続く。
9月12日現在、鎌倉市内で発生した振り込め詐欺は17件で被害額は約4380万円。いずれも昨年1年間を大きく上回っている。
最近急増しているのが、「受け子」と呼ばれる人物が自宅や待ち合わせ場所に金を直接取りにくる手口。7月に発生した事案では、市内在住の80歳代の男性のもとに「息子」を名乗る男から「牛丼屋に忘れたカバンに会社の小切手が入っていた」という電話がかかってきた。さらに電話を代わった上司役の男が「なんとか損失を補てんできないか」とたたみかけ、男性は自宅を訪れた「会社の関係者」に500万円を手渡した。
9月には70歳代男性のもとに「ロト6の当選番号を教える」として、情報提供料300万円を要求する電話がかかってきた。この時は詐欺を見抜いた男性の「だまされたふり作戦」で、現金を受け取りにきた「受け子」の逮捕に成功した。鎌倉警察署生活安全課では「手口が複雑化しているうえ、被害額が大きくなっている。2回、3回と要求するケースもある」と話す。
こうした状況を受け、鎌倉、大船両警察署では市広報や地元のFM放送、防犯メールを通じて呼びかけを行うほか、駅頭でのキャンペーン、また無作為で選んだ市内の家庭に署員が注意を呼びかける電話を掛けるなど、あらゆる手段で啓発活動を続ける。
鎌倉署では「いまだに自分だけはだまされないと思っている人が多い。電話が来たら振り込め詐欺かも、と思うぐらいの心構えでいてほしい」と話す。その上で電話をナンバーディスプレイにして知らない番号には出ない、などの対策を呼び掛けている。
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