再開発事業が動きを見せる深沢地区の旧JR大船工場跡地周辺地域。市はまちの将来像と基本方針をまとめた「まちづくりガイドライン(案)」の2013年度中の決定や、土地区画整理事業などの都市計画手続きを進めている。一方で地域住民の有志らが「深沢らしさを活かしたまちに」と開発コンセプトの独自案をまとめた。近く市へ提言する予定だという。
再開発が進むのは湘南モノレール深沢駅西側の約32・6haの土地。もともとは戦時下の1942年に横須賀海軍工廠によって接収され、軍事工場として使用されていた。戦後は国鉄大井工場大船分工場、87年の民営化でJR東日本の管轄となった。その後、2006年に工場機能が廃止されたことを受け、市はこれまでに取得した旧国鉄清算事業団用地や、JR工場跡地を中心としたこの地区の一体整備へ動き出した。
市は10年に策定した「土地利用計画(案)」の実現のため、まちの将来像などの規範となる「ガイドライン(案)」を今年5月に示し、今年度中の決定を目指している。同ガイドラインを履行するために必要な都市計画決定は15年度中までに行うとし、工事の着工も15年を見込んでいる。現在は土地区画整理事業などの都市計画手続きを進めており、14年1月には市民へ向け公聴会を開くという。
「地域の声を聞いて」
一方で、市が医療福祉系大学の誘致などを軸に掲げる「健康生活拠点・深沢」というまちの姿に対し「コンセプトが不明瞭で、深沢の地域性にも合わない」と異を唱える動きも出ている。
地元商店主や住民有志らによる「洲崎陣出(すざきじんで)の杜(もり)をつくる会」(徳増元治代表)は、富士山を望むサンセットスタジアム(野外歌劇場)や運動・イベント広場、スパランドや美術館などを核とする「文化・個性豊かなまち」を構想。かつて新田義貞と北条守時が戦った洲崎古戦場として知られる深沢の魅力を「洲崎陣出の杜」という名前に込め、矢羽のデザインをモチーフとした区画づくりや湘南モノレール深沢駅の拡充などのアイデアをまとめた。
同会は50人ほどが今年5月から勉強会を開くなど活動。これまでにも個人で同地区のまちづくりに提言してきたメンバーもおり「より広く市民に知ってもらいたい」と会を立ち上げた。
徳増代表は「まちづくりは全体コンセプトが最も大切。単なるベッドタウンにせず、地域の声を含め議論を尽くしてほしい。1月の公聴会で想いをぶつけたい」と訴えている。同会への問い合わせは【電話】0467・31・8014徳増代表へ。
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