県立大船高校で「アート」をきっかけとした生徒主体の学びの場をつくる取り組みが始まった。9月に活動を開始した「アートラボ」は部活や委員会ではない自主的な有志の集まり。学校紹介のVTR作成や「校舎内のデザイン化」をテーマに校内案内板づくりを行っていくという。
同校内の一室。終業のチャイムが鳴ると「アートラボ」のメンバーが次々と集まってきた。美術部をはじめ、演劇部やバスケ部、生徒会など普段はそれぞれに活動する生徒たちだ。2、3年生12人が参加している。
ラボによる第一弾作品は学校紹介VTR。在校生インタビューや大船高の名物スポットなどを3分ほどの作品にまとめ、受験生への説明会で披露したという。
現在、メンバーが取り組んでいるのは校内案内板づくり。美術室をパレットと絵筆のマークで示すなど各教室の特徴をイラストにして、色分けにも工夫を凝らす。「誰が見ても分かるような『デザイン化』がテーマ」といい、3年生の卒業までには方向を定めたいと意欲を見せる。11月には東京のグーグル(株)を訪ねてプロから「使いやすいデザイン」を学ぶなど、知識の吸収にも精力的。今後も講師を呼ぶなど勉強の機会を増やしたいという。
ラボ立ち上げの契機は、検索サイト「グーグル」主催の同社ロゴのデザインコンテスト。同校では美術の浅野操教諭の指導で夏期課題として取り組んでおり、昨年、10万点の中から加藤鮎美さん(当時2年)が最高賞のグランプリに輝いた。同校には同社から200万円が助成され、「生徒が主体的にものづくりに挑戦できる場を作りたい」と、サポート役の浅野教諭と生徒有志がデジカメなどのラボに必要な機材購入と活動費に充てるため学校へ働きかけ実現にこぎつけた。「ものづくりを通じて子どもたちが成長を感じられる場にしていけたら」と浅野教諭は展望を語った。
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