「帝国ホテルアーケード杯 スイーツアートコンペティション」で金賞を受賞した 菅原智大(ともひろ)さん 植木在住 28歳
美と味に挑戦し続ける
○…「もともとアンティーク調のデザインが好きで、レトロな時計をモチーフにデザインしました」と穏やかな語り口。「モダン・ノスタルジー」をテーマに昨年末に開催されたスイーツアートのコンテストで、金賞を獲得した。同コンテストの応募は2回目。「他の作品も工夫を凝らしたものばかり。その中で最優秀賞を取れたことが嬉しい」と笑顔を見せる。
○…昨年4月ごろから懐中時計をモチーフに作品を作りたい、と思っていたという。「見てもらった時の驚きを考えながら、取り組むのが私のやり方」と笑う。出品前は約1週間、製作に没頭。砂糖を煮詰め、それぞれのパーツを作り、組み立てる。飴細工は繊細な見た目とはうって変って、作業は体力勝負。振動や熱にも弱く、こうしたコンテストでは運搬中や会場で壊れ、出品できなくなるケースもあるという。自身も受賞後、作品が熱で溶けるなどして、2度同じ作品を作り直したという。
○…普段は新横浜の洋菓子店「ラ ピエスモンテ」のパティシエとして腕を振るう。より上を目指したい、と2年ほど前から様々なコンクールに応募するようになった。「同じレシピで作っても季節などの条件によって同じにならないこともある。やればやるほど課題が見えてくる。ずっと挑戦ですね」とまっすぐな眼差しで語る。
○…受賞作品を筆頭に、店内には美しい菓子やケーキが並ぶ。現在は製造責任者として、商品開発やディスプレイまで担っている。「仕事が趣味」というほど、時間があれば新たなデザインや味を考案しているという。ある時は食材のイチジクを求めて佐賀まで飛び、店に近い綱島の桃を使ったケーキを作ることもある。「やっぱり将来は自分のお店を開きたい」。夢の実現へ、これからも美と味の洗練に挑み続ける。