自分が倒れても仲間に託し楕円のボールをひたすら前へ前へと繋いでいく―。鎌倉市内唯一のラグビースクール「(一社)鎌倉ラグビースクール」は1975年に発足し、ラグビーを通じた青少年育成、地域貢献を目指して活動し幼稚園から中学生まで約180人が汗を流している。今春には19歳以上の「青年部」の設立を予定しており、「プレー環境がなくラグビーを離れた『ラガーマン』たちの受け皿になりたい」と菊池雄三校長は意気込んでいる。
「草ラグビー」の環境を整備へ
同スクールでは、県内各地のスクールとの交流戦やイギリスのチームとの国際試合、大学ラグビー部員を招いた講習会などを行っている。卒業生の中には大学や社会人の強豪チームに進んだ選手もいるという。
同スクールが現在進めているのは19歳以上のメンバーで作る「青年部」の創設だ。ラグビーは一部のトップ選手を除けば、高校までで「現役引退」する場合がほとんど。プレーしたくても地域にチームがないことが大きな要因だという。「『草ラグビー』のような気軽さで楽しめる環境を作っていきたい。経験者はもちろん、初心者にラグビーの素晴らしさを伝える場になれば」と菊池校長は話す。
「青年」カテゴリーは15人制のため、控え選手を含めて1チーム23人の登録が必要であるなど選手集めの壁は低くないが、「ラグビーの楽しさが忘れられない人はたくさんいるはず」と期待を込める。藤沢や横浜など県下に9チームある「青年チーム」と交流試合を行っていきたいとしている。
女子日本代表に選手輩出も
また女子選手の活躍も近年目覚しい。所属する中学生の3選手は県選抜に選ばれるなど今後にも期待が集まる。7人制ラグビーの女子日本代表・谷口令子(のりこ)選手(BK・世田谷レディース/東京学芸大ラグビー部3年)は同スクールのOGだ。菊池校長は「谷口選手は身体が強くてとにかく足が速かった。男子選手でもまったく追いつけないほどだった」と在籍当時を懐かしむ。「7人制」はリオ五輪の正式種目にも採用されており、世界の舞台での躍動も期待される。
今後はスクールを、地域スポーツのクラブが盛んな欧州に倣い、様々な年代・レベルの人がプレーを楽しめる地域密着の「鎌倉ラグビークラブ」へと発展させることを最終目標としているという。菊池校長は「多くの人がラグビーを楽しめる環境を作り、地域貢献できれば」と話している。
問い合わせは同スクール菊池校長【電話】0467・48・6088へ。
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