鎌倉のとっておき〈第8回〉 56億7千万年間 頑張るお地蔵さん
鎌倉五山第4位の浄智寺。甘露の井がある池の橋を渡り、円覚寺開山の無学祖元の「宝所近在」の額のある総門をくぐると、境内の曇華殿に三世仏が祀られています。阿弥陀如来・釈迦如来・弥勒菩薩であり過去・現在・未来を表します。
弥勒菩薩は釈迦如来が入滅後、56億7千万年後に現われ、お釈迦様にかわり、衆生を救済します。
では、その間誰が、お釈迦様にかわり、衆生を救うのかというと、地蔵菩薩です。鎌倉24地蔵めぐり等で著名な地蔵菩薩ですが、実際に寺社を巡ってみると、それ以外にも幾多の地蔵菩薩が祀られています。多聞院などは、六地蔵ととげぬき地蔵、水手向地蔵の3地蔵菩薩が祀られています。また、鎌倉駅前の「やるき地蔵」や、長谷小路の「六地蔵」など道端で見かけることもあります。
お釈迦さまと違いお地蔵さまは、何でも願いを聞いてくれるだけのキャパがなく、それぞれのお地蔵さまには、何を聞いてくれるのかで、呼び名も多種多様です。お地蔵さまには、28種類の御利益があると言われ、持ち物もそれぞれ違います。
主なご利益としては「病苦の身代わり」「子宝・子育て守護」「厄除け」「災難予知・災難防御」「延命・開運・勝利」等々。鎌倉にはいったい、何体のお地蔵さまがいらっしゃるのでしょう。鎌倉の寺社めぐりをしながら、いろんなところにいらっしゃるお地蔵さまを探してみるのも面白いものです。
(西幹夫)
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