大船地域づくり会議の会長を務める 幸道(こうどう)和宏さん 大船在住 70歳
住民主体のまちづくり仕掛ける
○…「大船を『住みたいまち』じゃなくて『住んで良かったまち』にしたいんだよね。これが私の目標」と目じりにしわを寄せる。住民主体のまちづくりを実現しようと2012年に発足した「大船地域づくり会議」の会長を務めている。先月には、より密度の濃い情報発信を目指してホームページを開設。「準備は整ったのであとは成果を出すだけ。しっかりやらないとね」と明るく語る。
○…福井県出身。大学進学とともに上京した。「マイホームが欲しい」と大船に越してきたのは約40年前。航空関係の仕事だったため職場の羽田空港まで1時間半かけて通勤することになったが「自分の城のため、と思えば気にならなかったな」と振り返る。静かで良い場所だと感じたものの「仕事が忙しく家には寝に帰るだけ」の生活が続いた。「隣近所しか知り合いがいなかったから」と定年退職後、町内会の活動に顔を出すようになった。2007年に副会長に推薦され、その翌年には会長に就任した。「まさか自分がこんな役職に就くなんて。でもせっかくの機会だからまちづくりに本格的に取り組もう、と思ったんだ」と話す。
○…町内会活動を始めてみると「自分たちだけでまちの課題を解決するのに限界がある」と感じる場面が多くなった。そこで地域で活動する諸団体、大学や病院にまで協力を仰いで「地域づくり会議」を立ち上げた。「行政が見過ごしてしまうような問題について、住民の目線で解決していきたい。まずは関心が高い、道路や交通、防災がテーマ」と前を見据える。
○…同会議のほかにも自治町内会連合会などさまざまな団体の役職に就き、会合や催しにと東奔西走の日々を送る。「友人の輪が広がって良いけれどとにかく忙しくて」と笑う。2人の子どもは独立し、現在は妻と2人暮らし。「会議が軌道に乗って落ち着いたら、温泉にゆっくり浸かりに行きたいなあ」と朗らかに語った。