東日本大震災発生から3年となった3月11日、笛田公園に「日本三大桜」の一つにも数えられる福島三春滝桜の子孫樹が植樹された。玉縄桜をひろめる会(吉田充代表)が、被災地支援を行う未来連福プロジェクト(斎藤美代子代表)、市内で避難生活を送る鎌倉福島避難者有志(吉岡孝雄代表)の会員らを招いて行ったもので、1本の苗木に復興への願いと支援への感謝を込めて、交流をはかった。
3月11日、笛田公園の駐車場脇の一角に、福島三春滝桜の子孫樹にあたる苗が植えられた。当日は約50人の参加者一人ひとりが「しっかり大きくなってね」などと声をかけながらスコップで土をかけ、植樹が終わると桜を囲み1分間の黙とうをささげた。
この桜には鎌倉市民の「3・11の出来事を忘れない」という被災地に対する思いと、避難生活を送る被災者の「鎌倉での支援への感謝を忘れない」という思いを込めて、「希望桜」という愛称が付けられた。
3団体合同で実施
きっかけは2年前の3月。玉縄地区の固有種・玉縄桜の普及活動を行う「玉縄桜をひろめる会」の長田克巳さんが岩手県陸前高田市を訪れ、同市に玉縄桜6本を植樹した。「多くの人に喜んでもらい、桜には人の心を癒す力があると改めて感じた」という長田さん。その帰路、福島県三春町を訪れて、日本三大桜の一つに数えられる「三春滝桜」を観賞した。「樹齢1千年と言われる威容を目の当たりにして、感動しました」と振り返る。
長田さんは同年秋、三春滝桜の子孫樹にあたる苗木3本を取り寄せた。同会の苗木場で育成しながら、「3・11を風化させないためのシンボルにしたい」と植樹する場所を市とともに検討してきた。
ちょうどこの頃、被災者を鎌倉に招くなどの支援活動を続けている「未来連福プロジェクト」の斎藤代表や、鎌倉で避難生活を送る福島県出身者のグループの代表、吉岡さんと知り合ったことから、3月11日に3団体合同の植樹を笛田公園で行うことが決まった。
吉岡さんは「鎌倉で生活した証が欲しいと思っていたのでうれしい」と話し、長田さんは「桜の苗を通じて、それぞれの立場の人間が思いをひとつに出来た。これからも交流を続けていきたい」と話した。
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