ボランティア活動が国際ソロプチミスト東リジョンから表彰された 山口七星(ななせ)さん 清泉女学院高等学校3年生 18歳
世界に共感の輪広げる
○…女性による世界的奉仕団体、国際ソロプチミスト東リジョンが14〜17歳の女性を対象に、日頃のボランティア活動における成果を表彰する「ヴァイオレット・リチャードソン賞」。2千人以上の応募から、優秀賞にあたるガバナー賞を受賞した。選考にあたって提出した小論文の題名は「人のこころを動かすということ」。中学生の頃から福祉委員として続けるボランティア活動の経験をもとに書いた。「賞に恥じないよう、これからも活動していきたい」と笑顔で意気込む。
○…幼いころに洗礼を受け、「物心ついたときから、誰かのために働きたいと思っていた」。ただ、ボランティアや支援には固いイメージがある。それを払しょくし、多くの人に参加してもらうにはどうしたらいいか。考えた末にたどり着いたのが「共感」というキーワードだ。雪ノ下教会でのバザーに参加してフェア・トレード商品の販売をした際、作り手が直面する問題などを来場者に伝えると、興味を示さなかった人も買ってくれたという。「ただのお菓子が、背景を理解することで特別な価値を持つ。人は何かに共感した時、行動に移すのだと実感した」と嬉しそうに話す。
○…清泉小学校から女学院中学、高校に進んだ。「うちの学校はやりたいことを応援してくれる雰囲気がある」と話し、福祉委員活動の傍ら、全国的に有名な音楽部に所属し、合唱にも励む。厳しい練習も前向きに取り組んでおり、周囲の友人や教諭は「うまく両立している」と舌を巻く。息抜きはアラビア語の勉強。「世界史を学んで、中東に興味を持った。いつか行ってみたい」と目を輝かせる。
○…「将来NGOで国際協力の仕事をしたい。宗教や文化の違いを理解しつつ、女性だからこそできることがあるはず」と、次のステージの目標は明確だ。そのためにまず、大学で知識を吸収したいという。いつか「共感の輪」が世界中に広がる日を夢見ている。