家庭系ごみの収集を有料化するための条例改正案が、6月27日に開催された鎌倉市議会6月定例会の最終日に賛成多数で可決された。事業を実施するための補正予算案が常任委員会で継続審査となっており、来年1月の実施に向けてなお曲折がありそうだ。
4会派が反対討論
家庭系ごみの収集有料化は、ごみを出す際、市が指定する袋を購入し使用するもの。来年度以降、市内で稼働するごみ焼却施設が名越クリーンセンター1カ所になることから、市は排出抑制策として戸別収集とともに導入を目指してきた。
しかし市民向け説明会やパブリックコメント、昨年10月の市長選で反対意見が多かったことから市は戸別収集の実施を断念。有料化のみを導入する条例改正案を2月定例会に提案したものの、対象品目が明記されていないなどの不備を議会から指摘され、今定例会に改めて提案していた。
採決を前に公明党鎌倉市議会議員団、日本共産党鎌倉市議会議員団、神奈川ネットワーク運動・鎌倉、自由民主党鎌倉が反対討論を行い「他の自治体でも有料化後3〜4年で『リバウンド』する事例が報告されており、ごみ減量を目的とした有料化は必ずしも有効な結果を生んでいない」「戸別収集が実現不可能となったなか、有料化のみの実施はできない。行政計画から見直すべき」「有料化しても3万トンを下回ることができず、市が示した数値だけでも計画は破たんしている。将来のビジョンがなく失政のツケを市民が払わされることになる」などの意見が出された。賛成討論はなく、その後の採決で賛成多数で可決された。
ただ有料化を実施するための経費を含んだ一般会計補正予算案は、総務常任委員会で継続審査となっており、閉会中に審議され、今後開かれる本会議で改めて採決されることになる。
市が見込む有料化によるごみ減量効果は「最低でも2千トン」。2013年度市全体のごみ焼却量は約3万6千トンで、名越クリーンセンター1カ所で処理が可能な3万トン以下には、なお4千トンほど及ばない計算だ。市資源循環課では「水切りの徹底や生ごみ処理機の普及など、有料化を契機に改めて広報を行い、市民に協力を求めたい」と話す。また戸別収集に関しては、有料化の削減効果なども検証しながら検討していく、としている。
新焼却施設4候補地に
6月19日に開催された観光厚生常任委員会では、新しいごみ焼却施設に関わる「基本計画」の策定状況が報告された。
そのなかで市は、基本計画の策定を諮問している鎌倉市生活環境整備審議会の用地検討部会での話し合いの結果として、0・5ヘクタール以上で接道があること、史跡や都市公園、緑地、小中学校を除くなどの条件で市有地を絞り込んだ結果、4カ所(上表)を新しい焼却施設の候補地として5月29日に開催された同審議会に報告し、了承されたと明らかにした。
今後は10月頃の用地検討部会の報告を受けて、12月頃をめどに同審議会が市に答申する予定。市はこれを受けて来年1月頃に候補地を絞り込み、2月頃には基本計画案を策定、パブリックコメントなどを経て、年度内に行政計画として位置付けていく考えを示した。
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