発足15周年を迎えた「AMDA鎌倉クラブ」の代表 根津 伶子さん 十二所在住
筝で紡ぐ支援の思い
○…災害や紛争が発生した際、多国籍の医師団を結成し、人道支援活動を展開している国際的非営利組織AMDA(本部=岡山市)。その活動を応援する「鎌倉クラブ」を発足させて15年の節目を迎えた。11月15日には鎌倉芸術館で記念のチャリティーコンサートを開催する。収益は東日本大震災被災地と発足以来支援を継続しているホンジュラスに寄付する予定。「支援は続けることが大事ですから。できる範囲で、今後も寄付をしていきたい」と穏やかに語る。
○…岡山県出身。「筝に興味があって」と進学した岡山大学で邦楽部に入部した。すぐにのめり込み、4年生で免許を取得するほどの腕前に。卒業後、一旦は小学校教員として働き始めたが「どうしても筝を弾く生活がしたかった」と2年で退職。教室を開くかたわら、作曲や国内外でのコンサート活動に力を入れた。20年ほど前、結婚を機に鎌倉に拠点を移した。
○…1998年、大学の後輩でAMDA代表を務める医師の菅波茂さんから頼まれ、ネパール子ども病院の開所記念に現地で演奏を披露した。同団体の活動を知り「少しでも力になりたい」と翌99年に鎌倉クラブを設立。以降、チャリティーコンサートやバザーを開催し寄付を行ってきた。設立の前年にハリケーン被害を受けたホンジュラスに継続的な支援をしており、15年間の寄付総額は1千万円に手が届くところまできている。「計算してびっくりしました。コツコツ続けてきたことがこれだけになるなんて、感慨深いです」と目尻にしわをよせる。
○…今回のコンサートには「長い付き合い」という中国人の二胡奏者も出演する。記念演奏会など節目に駆けつけてくれるといい「大好きな『二泉映月』を一緒に演奏するのが楽しみ」とほほえむ。本番を控え「演奏で困っている方の力になるのなら、これ以上のことはないですね」と柔らかな笑みを浮かべた。