鎌倉市教育委員会はこのほど、市立中学校での給食実施に関する保護者アンケートの結果を発表した。その結果、利用したい頻度を「毎日」「週2〜3回」と答えた保護者の割合は小学5年生の保護者が77・7%、中学2年生の保護者が63・5%に上った。市教委は2017年度から給食と家庭弁当を選ぶことができる選択方式での実施を目指している。
この調査は昨年10月上旬、2017年度に中学2年生に進学する現在の市立小学校5年生の保護者1396人(回収率80・5%)と、現在の市立中学校2年生の保護者1156人(回収率76%)を対象に行われたもの。
「中学校給食が実施された場合、どのくらい利用したいか」という質問に対し、「毎日」「週2〜3回」との回答が小学生の保護者では8割近く、中学生の保護者では6割を超える結果となった。また給食を利用したい理由としては、「弁当を作らなくてよい」との回答が小中学生の保護者とも約5割だった。
市は「現在給食が導入されている小学生の保護者については、中学生になっても給食があるとよいという観点から8割近くになったのでは」と分析。中学生の保護者については、自由意見のなかに「親として家庭弁当を持たせたい」「弁当作りは家族間でのコミュニケーションになる」などの意見が見られることから、「これまで家庭弁当を作っているため弁当作りに慣れていることが(小学生より低い)約6割になった理由と考えている」とした。
17年度実施目指す
鎌倉市立中学校では現在、家庭弁当持参が原則でミルク給食を行っている。松尾崇市長は就任当初から選択制の中学校給食導入の方針を掲げており、昨年策定された第3次鎌倉市総合計画第3期基本計画前期実施計画のなかに、2017年度全校実施が盛り込まれている。
市が検討している「選択制給食」とは家庭弁当を持たせたいという保護者や食物アレルギーを持つ生徒がいることを考慮し、全員喫食ではなく給食と家庭弁当を選ぶことができるもの。
小学校での自校調理とは異なり、民間調理事業者が弁当箱に盛り付けて各中学校へ配送するデリバリー方式で、献立は市の栄養士が作成するが食物アレルギーなどの個別対応はしない予定という。パソコン・携帯電話からのインターネット予約や学校においてマークシートでの給食予約システムの導入が検討されており、予約の締め切りは1週間前程度、1食あたり300円で前払い方式、1食からの利用が可能な仕組み作りを目指しているという。
業者選定など課題も
市では調理後2時間以内の喫食に対応できる民間業者の選定や、全中学校に給食を搬入・保管するための受入室の整備に向けて準備を進めている。
今回の調査を受けて市教委学務課は「子どもたちにおいしく、安全で安心して食べられる中学校給食の仕組みを作りたい」と話した。
神奈川県内の中学校給食(主食・おかず・牛乳が揃った完全給食)の実施率は24・9%で、全国平均の83・8%を大きく下回っており、全国で2番目に低い。
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