第8回鎌倉観光文化検定試験で1級を最高点で合格した 古川 達海さん 津西在住 69歳
「鎌倉の魅力多くの人に」
○…歴史・文化を学ぶことで「鎌倉ファン」を増やそうと行われている「鎌倉観光文化検定」。昨年11月に行われた第8回試験で、合格率わずか5・9%の1級を89点の最高得点で合格した。「記述式より4択で間違えが多かったのが残念」と少し悔しそうな表情を浮かべる。
○…福岡県小倉(現・北九州市)の出身。現役時代は三菱電機鎌倉製作所でエンジニアとして活躍。「最も忙しい時は1年に10日ほどしか休みがなかった」と絵に描いたようなモーレツ社員だった。定年退職から1年ほどした時、防犯団体「鎌倉ガーディアンズ」がボランティアを募集するチラシを目にして、活動に参加するように。イベントや名所を警備していると、観光客から様々な質問を受けたが「最初はほとんど答えられなかった」という。「30年以上住んでいるのに鎌倉のことを全然知らないことに気付いた」と検定の受験を決意。2010年に3級、翌年2級に合格した。
○…その後2年は1級の壁に跳ね返される。それでもノートの左側に自分で設問を書き、それに解答する独自の方法で苦手分野を着実に克服していった。人名や寺社の名前など似たものも多いが、覚え方のコツは関連付けることと言う。「知識は点だとすぐに忘れてしまう。それが線になりネットになると面白くなって絶対に忘れない」と笑う。
○…出身の東工大OBらで、小学校などへ出張理科授業を行うボランティアにも参加するなど多忙な日々を過ごす。2人の息子はすでに独立し孫との触れ合いが楽しみだ。「この前もスカイプで話したよ」と笑顔を見せる。最近では「鎌倉について話して」と依頼を受けることも増えた。「改めて感じるのは700年近く続く武家政権が、今の日本人の精神的基盤を作ったということ。その出発点となった鎌倉についてもっと知ってほしい」。第二の故郷の魅力を、多くの人に伝えることが今後の目標だ。