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北鎌倉駅裏トンネル 市「開削で整備」を決定 地震時の安全性など評価

社会

掲載号:2015年8月28日号

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 鎌倉市は8月21日、JR北鎌倉駅そばのトンネルについて、岩そのものを切り崩す「開削工法」で安全対策を実施する方針を明らかにした。第三者機関による、安全性の評価と整備方法の提案をもとに決定したもの。市は「開削工法は大地震が発生した際でも安全性が高い」ことや「坑口や側壁を補強し岩塊を残す工法では景観と安全性の両立が図れない」ことなどを理由に挙げる。一方、保存活動を続けてきた市民は反発を強めている。

 「トンネルの安全対策を開削工法により実施する」という市の方針は、8月21日午前に開かれた市議会建設常任委員会協議会と、同日午後の「北鎌倉駅裏トンネルの安全対策協議会」で報告された。

 市は4月28日、「岩の剥落等により利用者に影響が及ぶ可能性がある」として、同トンネルの通行止めを決定。その後、安全性評価とそれに基づく整備方法の提案を、トンネル工学の専門家らで組織される一般社団法人日本トンネル技術協会に依頼していた。

 8月18日には同協会から市に対し、中間報告が提出された。それによればトンネルが「直ちに崩壊する危険性は明確ではない」ものの「今後も剥落が起き、第三者に被害を及ぼす危険性」を指摘。「通行止めは妥当」とした。

 また安全対策のため、8つの工法の比較検討が行われ、最終的に「開削案」と、坑口やJR側の側壁を補強して岩塊を残す「保存案」の2案が示された。

 開削案は「景観は残らない」ものの「大地震などの際の安全性」が高く「道路幅を4mとすることで緊急車両が通行できる」ことや「維持管理が容易」なことなどが、保存案は「内面や岩肌の一部に景観が残せる」が、「素掘り面を残すことで大地震時に被害の可能性が残る」ことや「周辺道路が4mになったときにボトルネックになる」ことがなどが上げられた。

 こうした所見をもとに市は「保存案は坑口や側壁の補強が必須で外観が人工的になり、景観と安全性の両立が図られない」ことや「大地震の際に被害の可能性が残る」ことなどから、開削案の採用を決定した。

 市は9月2日に開会する市議会定例会に、同トンネルの安全対策費用として約8200万円の補正予算案を計上。「早期の工事着手を目指す」としている。

 一方、市の決定にトンネルの保全を求める市民は反発している。「北鎌倉緑の洞門を守る会」(北鎌倉史跡研究会)は8月22日、「開削が市民不在の密室で決まったことは、議会の存在意義や市民の声を無視するものだ」とする緊急声明を発表した。

 今後は抗議活動や署名の提出などを行い、市に対して方針の再考を求めていくという。

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