鎌倉市はこのほど、市内海水浴場の「警備記録」を発表した。条例の改正により禁止された飲酒に関する改善呼びかけが全体の半数を占め、周知に課題を残す一方、市に寄せられた苦情件数は昨年の3分の1程度に減少。市は「規制や警備体制の強化により、風紀の改善に一定の効果があった」とする。
鎌倉市は今夏の海水浴場の運営にあたり、昨年制定したマナーアップ条例を改正。飲酒や音響機器の使用などを「禁止行為」とし、中止・退去の命令を出せるようにした。
また警備体制も大幅に強化し、昨年はのべ146人だった警備員を、653人にまで増やした。
特に酒類は駅から海水浴場までの間に購入する人が多いことから、鎌倉、由比ヶ浜駅前と各海水浴場の入り口に警備員を配置し、飲酒禁止を周知したほか、スーパー、コンビニの売り場にポスターを掲示するなどの「水際作戦」を展開した。
このほど発表された「警備記録」によれば7月1日から8月31日までの開設期間中、違反が見られた利用者に警備員らが、改善を呼びかけた件数は1万252回(2万7717人)となり、そのうち飲酒が約半数となる5778回(1万6075人)を占めた。
市観光商工課では「呼びかけると『知らなかった』と驚く人もいたが、ほとんどのケースでその場で改善された。飲酒禁止を知っている人も多く、事前の周知が奏功した部分もあるのでは」と分析する。
また市に寄せられた苦情は22件。昨年の60件に比べて約3分の1にまで減少した。現在開会中の市議会9月定例会で今夏の海水浴場について問われた松尾崇市長は「満点とはいかないが、一定の改善はあった。継続して取り組み、親子連れなど多くの人が楽しめるビーチを目指したい」とした。
開設期間中の海水浴客は65万7千人で、昨年より約27万人(約29・1%)の減少となった。
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