鎌倉市は7月、家庭系ごみ有料化実施から3カ月が経過したことを受け、意識や行動の変化、戸別収集全市実施についてアンケート調査を実施した。ごみの排出については有料化後「注意するようになった」という回答が7割以上を占め、削減率も市の目標を上回るペースが続く。一方、戸別収集については、モデル地区とそうでない地区で意識の差がはっきりと分かれた。
鎌倉市はクリーンステーション収集地区の3000世帯(回答件数1580通・回答率52・7%)と、2012年10月から3品目の戸別収集モデル事業を実施している七里ガ浜、鎌倉山、山ノ内の3地区3063世帯(回答件数1717通・回答率56・1%)を対象に、7月4日から17日にかけてアンケート調査を実施。その結果が8月28日、公表された。
それによれば「有料化後、ごみの分け方や出し方を注意するようになった」と答えた人は、クリーンステーション収集地区で75・3%、戸別収集モデル地区で72・2%となった。
9月6日までにおける家庭系ごみ収集量の平均削減率(昨年比)は16・5%で、このペースが続くと年間の削減量は4366㌧となり、市が目標としている3300㌧を上回る見込み。市環境部資源循環課は「有料化をきっかけに生ごみの水切りや、分別の徹底化が市民に浸透しているのでは」と分析する。
ただ、市が利用を呼び掛けている生ごみ処理機については「使用するようになった」と答えた人は両地域とも3%前後に留まり、「使用を考えていない」と答えた人が半数以上にのぼる。
戸別10月めどに方針
一方、市が当初有料化とともに導入を予定していた戸別収集に関する質問では、モデル地区とそうでない地区で大きな意識の差があることが数字に表れた。
クリーンステーション収集地区では「現在の方法のままでよい」が75・2%、戸別収集モデル地区では「3品目での戸別収集がよい」が63・1%となった。資源循環課は「戸別収集を経験すると、それまでの印象が変わったという反応が多い」と話す。
導入にあたってはコストも大きな課題となる。市は1世帯当たりの年間経費を、クリーンステーション収集(3品目)の1万3000円に対し、戸別収集(3品目)は約1万9000円と試算。年間で約14億円と見込む。
ただ昨年の市議会6月定例会における議員の指摘で、業者から約17・6億円と約21・6億円とする見積もりが出されていたことが判明した。同課は「コストについては現在業者と調整中」とする。
市はアンケート結果を受けて、10月をめどに改めて戸別収集についての方針を表明するとしている。
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