市内城廻のコミュニティーカフェ「憩い宿」の代表を務める 小美野 京子さん 城廻在住 74歳
地域から親しまれる場に
○…「半径500m以内の人が気軽に交流できる場を」と昨年10月、市内城廻の空き家を改装し、仲間とコミュニティーカフェ「憩い宿」をスタートさせた。高齢者を中心に1年間で延べ2千人が訪れる盛況ぶりで、11月には社会貢献に携わる市民団体の活動を支援する「NPO支援かまくらファンド」から最優秀団体として10万円の助成が決まった。「空調設備を整えて、2階も活用したい」と今後の展望を語る。
○…小田原市出身。結婚後、城廻に家を購入し、約40年前に一家で鎌倉へ。子育てに奮闘するかたわら、ママ友から紹介されて始めた俳句や、ヘルパー講座を通じて興味を持ったボランティア活動などを続けてきた。10年ほど前には自治会の推薦で民生委員に。小学生の登下校の見守りといった地域活動に力を入れている。「人と触れ合うのが好きだから、困っている人を助けたくて」とほほえむ。
○…昨年6月、いつもの見守り活動を行っていると、一軒の空き家が目に付いた。「近所の人が集まりやすい立地なのに、もったいない」とボランティア仲間の森靖子さんと所有者に直談判し、安価で借り受けた。「この地域のお年寄りは大船駅までバスに乗って市の施設に出かけている。もっと気軽に利用できる場を作りたい」と仲間5人で草刈やペンキ塗りを行い、わずか2カ月で「憩い宿」のオープンにこぎつけた。
○…徐々に存在が知られていき、最近では市内外から毎日10人前後が立ち寄っている同拠点。訪れる人それぞれが自主的に掃除や手入れをし、絵を飾るなど「人の力」で成り立っている。「ここで顔を合わせることで皆さん知り合いが増えたみたい」と笑う。ゆくゆくは土日も開放して、高齢者が地元の小中学生に勉強や囲碁を教える機会を設ける予定だという。「気楽に集まれる場所作りを続けるのはもちろん、世代を超えて交流できる場にできれば」と明るい表情で語った。