1873年、陸軍の野外演習が鎌倉で行われ、明治天皇が鶴岡八幡宮の裏山・大臣山からその様子を視察した。同山上には1928年、記念の石碑が建てられたが周辺整備は行き届いておらず、この史実を知る人は少ない。そこで同宮と市民団体がこのほど、共同で手すりや階段などを整備した。関係者は「後世に歴史を伝えていきたい」と話す。
大臣山は1873年4月15日、明治天皇が初めて陸軍野外演習を視察した場所で、現在は鶴岡八幡宮(吉田茂穗宮司)が管理している。演習は大雨が降るなか行われ、明治天皇はその後、同宮を参拝したとされる。
山上にはそれを記念した「明治天皇閲兵の処」と書かれた石碑が1928年11月、鶴岡八幡宮奉賛会や帝国在郷軍人会鎌倉町分会、同鎌倉郡連合分会によって設置された。
しかし、その周辺や山道は手入れが行き届いておらず、史実も埋もれようとしていた。
創立50年を記念
そこで、同宮と共同で石碑周辺の整備を行ったのが1965年に設立され、今年50周年を迎えた市民団体「鎌倉明治会」だ。
同会は記念事業として山道に手すりや階段などを設置したほか、入口には参拝者用に、歴史や同団体の説明などが記された案内板を立てた。
山上への道が急なため、一般公開はされていないものの、関係者は「日本で初めての天覧演習が鎌倉で行われた事実や明治の歴史が埋もれないよう、これからも後世に語り継いでいきたい」と話した。
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