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鎌倉版 公開:2017年1月1日 エリアトップへ

鎌倉大船ロータリークラブ×タウンニュース 新春特別企画 「地域から必要とされる存在に」

社会

公開:2017年1月1日

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 国際的奉仕団体「鎌倉大船ロータリークラブ」は、東京オリンピック開催の年となる1964年にその産声を上げた。以来、青少年を対象とした薬物使用防止プログラムの実施や、東日本大震災の被災地支援など、様々な奉仕活動を50年以上にわたって続けてきた。一方、社会状況の変化もあり会員の減少など課題も。団体として今後何を目指していくのか―。2016─17年度会長の中村聡一郎さんと幹事の田中哲さんに聞いた。

地域密着の奉仕活動実践

――まずはロータリークラブとはどのような団体なのか、改めて教えて下さい。

中村 ロータリークラブは1905年、アメリカ・シカゴで青年弁護士が立ち上げた組織がルーツです。現在は200以上の国と地域に3万2千を超えるクラブ、120万人を超える「ロータリアン」が、職業を通じた社会奉仕の実践、会員同士の親睦や自己啓発に取り組んでいます。

田中 鎌倉大船ロータリークラブが発足したのは、東京オリンピックの年となる64年です。これまで知的障害を持つ人の授産施設の支援や中学生を対象とする薬物乱用防止事業、献血事業の支援など様々な活動を行ってきました。またタイのバンコク南ロータリークラブとは70年に「姉妹クラブ」としての協定を結びました。当時、ケシ栽培が蔓延して社会問題となっていた同国東北部に、菊の苗などとともに基金を贈る活動が評価され、先日亡くなられた当時のプミポン国王に会員が謁見したという記録も残っています。

――お2人がクラブに入会したきっかけは。

中村 私は鎌倉青年会議所で長く活動してきました。その時の先輩がクラブにいたこともあり、2010年に入会しました。

田中 入会したのは14年です。私は教育コンテンツの出版・開発の仕事をしています。鎌倉に拠点を置いてはいますが、地域と関わる機会は決して多くなかったため、何か地元に貢献したいという気持ちが強くなっていました。そんな時にロータリークラブ会員の方から入会を勧められました。

――活動で印象に残っていることを教えて下さい。

中村 以前、若者の間で薬物の使用が問題となったことがありました。そこで当クラブでは98年から12年まで、大船地域の中学校で3年生を対象に「薬物乱用防止教室」を開催しました。医師や警察官を呼んで薬物が身体に及ぼす影響や実際に起こった事件などについて語ってもらうのですが、子どもたちの真剣な表情を見て、手ごたえを感じました。その気持ちをいつまでも忘れずにいてくれたらいいな、と感じています。

田中 入会する直前でしたが、14年の4月に東日本大震災の復興支援の一環として、小袋谷の成福寺で行われた祈念法要と式典のお手伝いをさせていただきました。当時はまだ震災の傷も生々しく、厳かな空気の中でズシッと重たいものを感じたのを覚えています。

――田中さんのお話にも出ましたが、東日本大震災の発生後、被災地支援を継続して行ってきましたね。

中村 東日本大震災ではあまりに大きな被害が出ましたから、一過性ではない継続的な支援が必要だろうと話し合ってきました。創立50周年を迎えた14年には祈念法要とお茶会、講演会、翌年以降は映画会や朗読会を開催して、そこで得られた浄財を支援団体に寄付してきました。また昨年9月には山崎浄化センターに看板を設置し、震災の記憶が風化しないような取り組みもしています。

子どもの貧困対策へ支援検討

――今後の課題は。

中村 やはり会員の増強です。最盛期には60人から70人近く会員がいましたが、現在は15人。これでは必然的に活動の規模や範囲が限られてしまいます。

――会員を増やすために、どのような取り組みをしていきますか。

田中 どのような活動をしているのかが、見えづらいということがあると思いますので、より多くの人に参加してもらえるよう、活動を地域にPRすることも必要だと考えています。

――ロータリークラブの活動を続けてきてよかったことは。

中村 規模が小さい分、一人ひとりの顔が見えて結束力が強いのが当クラブの特徴。活動を通してメンバーと家族のような付き合いができることが魅力です。

田中 仕事をしているだけでは絶対に出会えないような様々なキャリア、経験を持った人たちとの交流があり、刺激を受けることができています。それを通じて自分自身が磨かれていると日々実感しています。

――今後、どのような活動を目指していますか。

中村 これからは、我々だけの奉仕活動ではなく地域の様々な団体と連携することが必要になります。大船地域は中学校、高校はもちろん大学もある市内随一の文教地区ですから、若者と連携した活動ができないか考えています。例えば若者のアイデアを生かした地域の名産品のようなものを生み出すことができないかなど、企画を練っているところです。

田中 ロータリークラブが地域から必要とされる存在であり続けるために、我々の活動も時代や社会に合わせた変化が必要です。そうしたなか、今検討しているのが子どもの貧困問題に対する支援です。この問題はなかなか外からは課題が見えづらい一方で子どもたちはどんどん成長していきますから、対策は待ったなしです。居場所づくりや食育支援など様々な形がありますが、我々として何ができるのか、勉強しています。
 

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