NPO法人鎌倉ガイド協会の会長に就任した 関 有恒さん 二階堂在住 75歳
個性生かしたガイド活動を
○…約120人が所属し、観光客や修学旅行生に鎌倉の歴史、名所を案内しているNPO法人鎌倉ガイド協会。その新会長にこのほど就任した。「会社役員や教師など、様々な経歴の人が集まっているのが当会の魅力。会員一人一人の個性を生かして、さらなるレベルアップを目指したい」と意気込みを語る。
○…東京都出身。大学卒業後は化学メーカーに入社した。「人と話すのが大好きなので、営業でバリバリ活躍したかった」が、配属されたのは総務部。その後も会計のスペシャリストとしてキャリアを重ね、香港やニューヨークなど海外勤務も経験した。定年退職後も取引先の会社に請われ、65歳まで総務畑でサラリーマン人生を全うした。
○…妻が鎌倉出身だったことから40年ほど前に鎌倉へ。しかし「現役時代は東京と家の往復で、まちのことが全く分からなかった」と振り返る。「今度こそ人と話す活動がしたい」と考えていたところ、市の広報で見つけたのが同協会の「ガイド募集」。さっそく応募したが、最初は苦労したという。「土地勘もなければ歴史にも明るくなかった。ガイド養成のための講習はついていくのがやっとで『追試』を受けたこともありました」と苦笑する。それでも猛勉強を重ね、2008年に晴れてガイドの仲間入りを果たした。修学旅行生を案内する際には、生徒たちが住む土地の歴史を絡めた話をするなど、細やかな気配りを忘れない。「お客さんがうれしそうな表情をしてくれるのが、なによりもうれしいね」といきいきとした表情を見せる。
○…リタイア後は、妻と家事を分担中という。会長就任を妻に相談したところ「家の事をちゃんとするなら、と許可をもらいました」と笑う。急増する海外からの観光客への対応など、同協会にかかる期待は大きい。「外国語対応にも取り組みながら、より多くの人をおもてなし出来たら」と朗らかに語った。