「鎌倉市鏑木清方記念美術館」(雪ノ下1の5の25)は4月17日、開館20周年を迎えた。これを記念し、20日(金)から5月23日(水)まで、特別展「鏑木清方の芸術展」を開催する。
東京・神田に生まれ、近代日本を代表する美人画家として知られる鏑木清方(1878〜1972)。関東大震災と第二次大戦により失われた、古き良き東京の風景をこよなく愛し、江戸、明治期の市井の女性たちや、下町に生きる庶民の生活を題材に多くの風俗画、肖像画、物語絵などを描いた。その画業が高く評価され、54年には文化勲章を受章している。
鎌倉との縁は、空襲で東京の自宅を失い、終戦の翌年に材木座に転居した時から。54年に雪ノ下に画室を設けると、以後93歳で亡くなるまでのおよそ18年間を過ごし、多くの作品を残した。
旧居跡に開館
「画業を後世に伝えてほしい」と市が遺族から美術作品、資料、土地建物の寄贈を受けたのは94年。その後4年の歳月を経て、晩年を過ごした旧居跡に同館が開館した。
現在、多くの代表作を含め、下絵、デッサンなど約2000点、また愛読書や資料など約6000点を所蔵。近年は年間約2万6000人が来館し、数々の名画を楽しんでいる。
12年にわたり館長を務める真室佳武さん=人物風土記で紹介=は「20年もの間、多くの人に支えられていることに感謝。地域に素晴らしい画家が暮らしていたことを、誇りに思ってもらえたら嬉しい」と話す。
日本画の制作体験も
特別展では「繪團扇」(28年ごろ)や「朝涼」(25年)など清方の代表的な美人画をはじめ、幅広い創作活動を紹介する資料を多数展示する。初日の20日(金)は無料で鑑賞できる。
また、24日(火)から28日(土)までは、清方の画業などを学ぶ市民講座を開催。午後1時30分から2時30分まで、受講費無料、予約不要。5月19日(土)には、1時からと3時からの2回、日本画材を使って絵を描くワークショップも開かれる。
開館は午前9時から午後5時(入館は4時30分)まで。月曜休館。特別展の観覧料は一般300円、小・中学生150円。問い合わせは同館【電話】0467・23・6405へ。
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