アマチュアボウラー日本一を決める「NHK杯第52回全日本選抜ボウリング選手権大会」が5月18日から20日までの3日間、埼玉県の新狭山グランドボウルで開催された。男子で佐々木智之さん(31)が優勝、女子で藤原聖佳さん(20)が準優勝を果たすなど、湘南ボウル(常盤)を拠点とする2選手が活躍した。
悔しさ残る準優勝藤原聖佳さん
身長154cmと恵まれた体格ではないが、天性の手首の強さを生かし、男子選手のようなスピン量の多いボールを投げられるのが持ち味の藤原さん。同大会では、初出場した中学3年時の12位が過去最高の成績だった。
「決して調子は良くなかった」と振り返る今大会だが、ギリギリの4位でファイナル(4人で争う3-4位決定戦の後、上位2人が優勝決定戦を行う)進出を決めると、ナショナルチームにも名を連ねるライバルがスコアを伸ばせないなか、思い切ったプレーで196をマーク。首位で優勝決定戦進出を決めた。
しかし同じ神奈川を拠点とし、国体のチームメイトでもある菅野沙織選手との優勝決定戦では、かつてないプレッシャーと闘うことになった。
「どちらの足から一歩目を踏み出すのかも分からなくなるぐらい緊張していた。オイルコンディ ションも読みづらく、早く試合が終わってほしいと思った」と164に留まり、初優勝を逃した。
「冷静になれず自分のプレーが出来なかったことが情けない」と悔しさをにじませ、メンタル面の強化を課題に挙げる。
小学1年の時に両親とともに訪れたボウリング場で、競技の魅力に目覚めた藤原さん。現在は湘南ボウルで働きながら練習漬けの日々を送る。
当面は7月に予定されている国体関東予選が目標だ。プロ入りを目指しており、来年の同大会に出場するかは未定というが「来年も資格が得られるくらい、出場する大会で良い成績を残したい」と話した。
貫録の4度目V佐々木智之さん
ナショナルチームでもキャプテンを務めるなど、トップボウラーとして活躍する佐々木さん。同大会では2006年の初優勝から、12年、16年と3度にわたってタイトル獲得を果たしてきた。
しかし「連覇を意識して固くなった」という昨年はまさかの4位に終わり、雪辱を期して臨んだ大会だった。
インターネットの普及でトップ選手のフォーム研究が進んだことなどから、現在のボウリング界では10代、20代の若手の躍進が目立つ。
それを象徴するように、今大会も4人で争うファイナルに進出したのは、佐々木さん以外全員10代の選手となった。
「若い選手は勢いに乗ると手が付けられない」と警戒する一方で「まずは優勝決定戦に残ることが大切。レーンのオイルコンディションも厳しかったので、200〜210を取れば2位には入れるはず」と冷静だった。ポイントを押さえたスコアメイクで206をマークし、2位で優勝決定戦への進出を決めた。
そして原口優馬選手との優勝決定戦。「本当に強い選手は、相手がミスした時や勝負どころで必ずストライクを取ってくる。自分もそういうボウリングを目指している」という言葉通り、1フレーム目から3連続ストライクでペースをつかむと、相手の追い上げを押さえ、単独で史上最多となる4度目の優勝を果たした。
当時の所属レーンの閉鎖を受けて、2年前から湘南モノレールに籍を置き、湘南ボウルを拠点とする佐々木さん。現在は8月にインドネシア・パレンバンで行われるアジア競技大会に向けた調整が続く。
前回大会ではトリオ戦で優勝、ダブルス戦で準優勝を果たしている。世界でトップを争う強豪・韓国はもちろん、東南アジアの国々も力をつけているが「国を代表して戦うことは誇り。出場するからにはもちろん金メダルを狙う」と意気込んでいる。
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