鎌倉版 掲載号:2018年6月29日号 エリアトップへ

旧川喜多邸別邸できょうから企画展を開催する花結び作家 倉田 生子(いくこ)さん 佐助在住 84歳

掲載号:2018年6月29日号

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紐が結ぶ縁に恵まれて

 ○…1本の組紐を自在に結び編むことで、梅や桜などを表現する「花結び」に魅せられて40年。形作るのは花に限らず、アイデアと技術次第で何でも思いのまま。火の鳥を題材にした作品では、華やかで複雑な羽を表現するのに苦労したという。50mの紐を使った大作でも、図案や作り方は自身の頭の中で思い描く。「何日もかかったけれど、大変なものにトライするのが面白くって」と笑う。

 ○…学生時代は島根県で疎開生活を送った。結婚後、夫の仕事の関係で40年ほど前に鎌倉へ。ある時、訪れた組紐展で見かけた作品に目を奪われた。「大きな蝶々の花結びで、話を聞くと1本の紐でできていると言われ驚きましたね」。今では教室を持ち、花結びや水引といった「結び」文化の研究・振興を行う日本結び文化学会理事として国内外を飛び回る。「活動に没頭できるのも、夫の理解があったからこそ。なかなかできない経験をさせてもらえた」と感謝を口にする。

 ○…「結び」の文化は、原始時代には獲物を縛る、平安時代には貴族の女性の教養として、武士の時代には甲冑や茶入――と時代とともに変化し、派生してきた。「昔から結び目には神が宿るとされていて、おみくじを結ぶ、しめ縄を飾るのもそこに由来するもの。身近なところに『結ぶ』はたくさんある。人との縁も『結ばれる』ものでしょう」。きょうから始まる企画展も「縁が縁を呼んで実現した」とほほ笑む。

 ○…会場で来場者を出迎えるときは、いつも決まって着物姿。着物に組紐作り、花結びのほか、茶道、香道と好きになるものは和のものばかり。「すべてどこかでつながっているんですよ。日常でも。気が付かないだけでね」。活動を通してまた新たな縁が結ばれることを願う。

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