第21代高校生平和大使として活動する 佐藤 ハンナさん 材木座在住 17歳
平和への思い、世界へ届ける
○…核兵器廃絶を目指して被爆地の声を世界に伝える活動を続け、今年ノーベル平和賞候補に選出された「高校生平和大使」。第21代大使の1人として、8月26日から19人の大使と共にスイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪問する。全国で集めた署名を届けるとともに、英語によるスピーチで核兵器の悲惨さや非人道性を伝える。「大使として自分の意見を世界に伝える機会をいただけて嬉しいです」と笑顔を見せる。
○…平和について考えるようになった一番のきっかけは、小学4年生の時に経験した「親子記者」だ。日本非核宣言自治体協議会の企画に応募し、父と共に長崎県で取材に挑戦。被爆者の体験談と彼らの取材を続ける新聞記者の使命感に心を動かされた。そして取材相手として出会ったのが岩手県の第14代大使の2人。東日本大震災を経験した直後だった彼らの平和への思いに触れ、「私も高校生になったら大使になると心に決めた」という。
○…中学時代はバドミントン部に所属していたが、高校生になってからは「夢」を優先。昨年は落選したが、仲間と署名活動等に励んだ経験を糧に、今年ついに大使に選ばれた。通っている捜真女学校では、自身と同様に、学外で活動する学生有志からなる平和研究会に所属。フェアトレードやサステナビリティ大使の活動に励む友人らと情報を共有し、良い刺激を受けているという。
○…夏休みに入ってからは毎日JR桜木町駅前で、暑さに汗をにじませながら、通行人に署名への協力を呼びかけてきた。「神奈川は初期段階での原爆投下目標地でしたが、そのことを知らない県民もいます。核兵器について学ぶ機会が少ないので、私が発信していけたら」。芯の強さを感じさせる、まっすぐな瞳でそう語った。