市で初の国際交流員として鎌倉市役所に勤める ネーム エレンさん 24歳
文化伝え日仏の架け橋に
○…「フランスと鎌倉の交流がさらに深まるよう頑張りたい」。今月、市で初となる「国際交流員」として任用された。任期は2021年8月までの3年間。東京五輪に向け、市内で事前キャンプを予定しているフランスのセーリング選手団の通訳のほか、市民との交流事業にも携わる。
○…母が日本人、父がフランス人の家庭に生まれ、南仏・トゥールーズで育つ。幼いころから、祖父母の住む島根県など日本を度々訪れてきた。国際関係学を学んでいた大学時代には「日本語を本格的に身に付けたい」と1年間、同志社大学に留学。「フランスでは自分の主張をはっきりと伝えることを若いうちから教えられるのに対して、日本では調和や空気を読むことを大切にする」と両国の文化の違いを肌で感じた。
○…大学卒業後、フランスのNPOでのインターンシップに参加し、東南アジアのラオスへ。半年間、現地に滞在しながら衛生改善プロジェクトなどに尽力した。「ラオスの人たちと交流を深めるうちに、人の役に立つ国際協力や交流活動に一層興味が強くなった」。その後、日本での留学時代に知った「JETプログラム」(自治体国際化協会が実施する海外の若者を対象とした事業)に応募。面接など厳しい選考を経て、国際交流員としての任用が決まった。
○…来日から約1カ月。「自然が豊かなところが鎌倉の魅力。海が大好きなので、鎌倉の海岸にも行ってみたい」と目を輝かせる。普段は美術館巡りが趣味で、特にモネの作品がお気に入り。「印象派の作品には浮世絵など日本の絵画から影響を受けたものも多い。芸術など長い歴史の中で培われた文化とともに、日仏のつながりについても多くの人に伝えられたら」と意気込んだ。