「児童文学のノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞の作家賞を今年3月に受賞した由比ガ浜在住の児童文学作家・角野栄子さん(83)が10月15日、鎌倉市市民栄誉表彰を受けた。角野さんは「鎌倉という字が付いた賞はうれしい」と喜んだ。
これは鎌倉市が芸術、スポーツなどの分野で特に優れた業績を挙げた市民を称える制度で、2012年度の創設以来、角野さんで3人目。この日、表彰状を手渡した松尾崇市長が「角野さんが鎌倉市民であることを誇りに思う」と祝福すると「いつか鎌倉が舞台の作品も書きたい」と答えた。
角野さんは東京都出身。25歳からの2年間をブラジルで過ごし、35歳で『ルイジンニョ少年、ブラジルをたずねて』を出版し作家デビューした。
1989年に宮崎駿監督により映画化された『魔女の宅急便』など、数多くの作品を発表し続けており、14年には旭日小綬章を受章している。
鎌倉に居を構えたのは18年ほど前。「海、山、お寺といった素晴らしい景観や何百年もの歴史など、宝物がたくさんある。散歩のできる小道にも恵まれ、顔の知らない人とも気軽に話せる」と街への愛着を語る。
一昨年からは、鎌倉文学館を会場にほぼ毎月1回のペースで、自身の作品などを朗読する「おはなしの扉」を開催し、親子との交流も続けている。同館では11月4日(日)まで著作など約20点を展示中で、担当者は「表彰をきっかけに、さらに多くの人に作品を読んでもらいたい」と話している。
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